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ねとげ~たいむ・エキスパート!!

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 激しいスキンシップから解放された私は空いた席に案内された。
 すると待つ事数分、私の元へ注文したコーヒーとシュークリームがやって来た。
「お待たせしました」
 持って来てくれた唯月先輩だった。
 この人も自分のアバター、『ローネ』の格好をしていた。まるで陰陽師と洋風の僧侶が合体したような井出達だった。
 すると唯月先輩が溜息を零した。
「……はぁ」
「どうしたんですか? やっぱり疲れたんですか?」
 そりゃこんなにお客がいるなら疲れるだろう、すると唯月先輩が苦笑しながら言い返した。
「ああ、いや、そうじゃなくて……、ただ、最近こんなのばっかだなって思って」
 唯月先輩の顔が暗くなった。
 この人は今まで様々なコスプレをさせられていた。
 チアガールに鬼にアバター……、皆も同じコスプレしてるけど、彼女の場合は全て恥ずかしがっていた。
 ただ今回はある程度露出が低いから恥ずかしさは無いだろう、いずれにしろ萌ちゃんや望先輩達に振り回されて気の毒な人だった。
「で、でも皆さん、似合ってますよね、でも大変だったでしょ? こんなに作るの」
「ああ、そうでもないわ、何人かは去年のを仕立て直したのよ」
 唯月先輩は言った。
 この衣装の大半は去年、望先輩のサークル仲間がカーテンや古着を貰い、改造して仕立ててくれた物だった。
 鎧などはプラスチックを加工した物で、これだけはお金を出して借りている、勿論壊れたり傷つけたりすれば弁償になる。
 今回のはみんなのサイズも変ったと言う事で仕立て直したのだった。
 ただ唯月先輩を含めた何人かは確実に新しくなっている、中には最初から作り直した人もいるみたいだった。
 すると萌ちゃんが唯月先輩の背後から両肩をつかんでピョコっと顔を出しながら言って来た。
「唯月ちゃんは私達より成長してるっスから、作り直さなきゃ行けないっス〜っ!」
「えっ、成長?」
「そうそう、唯月ちゃんまた大きくなったっス、見事なおバスト様が……」
「うわああっ! 萌ちゃんダメェェェーーっ!」
 唯月先輩は真っ赤になりながら萌ちゃんの口を塞いだ。
(ってか、成長って……)
 私は唯月さんを見た。
 衣装で分かりづらいけど、衣装の下には確かにたわわな……、って考えるっ!!
 私は頭の中に想像してた物を首を振って取り消した。
 これじゃセクハラだ。
 女性同士でもセクハラは立証されるので注意しよう……、って誰に言ってんだ私は?
 
 そんなこんなで今年の文化祭も何事も無く終了した。
 それから数週間後、全校集会で文化祭の結果が発表された。
 私達の学校は1・2・3年生とも全て6クラスに分かれている、そんな中お姉ちゃんのクラスは集客数・収入ともに2年生1位、全校総合1位を獲得した。
 ちなみに私のクラスは集客数4位、収入3位、総合10位だった。
(やっぱお姉ちゃん達はすごいなぁ)
 私はそう思った。