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HAPPY BLUE SKY 婚約時代B版 (投稿し忘れ)

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(2)
私 立野一美は、営業ウーマンになって4ヶ月が過ぎた。世間で言えば4ヶ月と言えば【ひよこ】レベルだけど、職歴がポリス・諜報部員しか経験した事がないので、営業の仕事は見るのも聴くのも初めてで新鮮だった。またこの時に、自分はまだまだ世間知らずだと思ったぐらいたくさんの事を見聞きした。
今日は1人でショップに営業に行った。先月までエキスパートの営業さんに同行してもらっていたが、今月から1人でショップに行ってスタッフとコミュニケーションを取っていた。どこの業界でもそうなのか、諜報業界で学んだコトが営業の仕事に入ってから役に立っていた。この事だったんだ‥クゥ中佐やアーノルド少佐達が【役に立つから】と私に言ったのは。
ショップのスタッフが私に手を振ってくれて、私も手を振り返してモノレールの改札口に歩き出した。モノレールに乗って次は3駅向こうのグランバザールへ行く。ネットで検索したら、今日から1週間バーゲンをするそうだ。お教室で使える素材が安く購入できたらいいな。私はシステム手帳を出して購入リストをもう一度見直した。
バザールで見つけたお教室に使うパーツが格安だったので、たくさん買い込んでしまった。紙袋2つ持てるだろうと思ったのだが、思いの外重くて。途中で荷物を下してしまった。
「お‥重いぃ!調子コイて買い過ぎてしもうたわ。ハァァ‥どうする?オフィスの車で迎えに来てもらおうか?」制服のポケットを探りスマホを取り出した時だった。反対側の道路からクラクションが鳴った。
「助かりました。ありがとうございます。ボンバード顧問様」
「どう致しまして。同じ支部に帰るんだ!かまわないさ。あぁ‥息子からは連絡あるのかね?私の所には素っ気ないメールしか来んがね」
そ‥素っ気ないメールかぃ?息子ってそんなものなの?うちの裕次郎さんも同じ事を言ってたわ。あぁ‥もうお気づきかと思いますが、ボンバード顧問様はフィアンセのクゥさんの父上です。私にとっては義理の父上になりますが。クゥが海外公務に出る前に、ボンバード海軍准将は他支部からファイン支部にお戻りになり後に退官しました。退官後にファイン支部の顧問となりました。
「あぁ‥メールは1週間に2通ぐらいですかね?1週間に1度はスカイプーでしゃべってますが、そんなに長くしゃべってないですよ。途中でコタロウが画面に肉球パンチ入れるから」
「に‥肉球パンチか!ッハッハ‥クゥ流で言えば【いつまでもしゃっべってるんじゃないぞ!】だな。あぁ‥そのスカイプーって」
ボンバード顧問は私に向かって極上の笑顔を見せた。
画面の中のクゥは、私とコタロウが出ると思っていたのだろう?画面にはコタロウが好きなロープのついたボールを持っていた。
「コタロウ!土産買ったぜ。このボールさメーカーの中で一番頑丈らしいぞ。これなら破れないぞ。どうだ!欲しいか?欲しかったらどーすんだ?」
その声にコタロウは、オスワリして前足を上げて【ワン】と鳴いた。
「ヨシヨシ!俺が帰るの待ってろよ。はい!次はママだ。あったぞ!欲しがってたメーカーのカタログ!持って帰るのは俺が帰って来る時でいいか?ショップに聞いたら隣市で小さいけどショップがあるそうだ。先に1人で見に行ってみるか?一美が決めてきていいよ。そのエリアはお任せだから」
クゥはもらってきたカタログを画面に映した。その時だった‥私の横に座っていたボンバード顧問こと義父上が私の肩を軽く叩いた。
クゥは私が返事をしないものだから、聞こえていないのかと思ってカタログを画面から外した。その瞬間‥
「こんばんわ!ボンバード家の次期当主・我が息子のクラウス君」
また極上の笑顔で、画面の中のクゥに向かって手を振った。
「お‥親父ッ!何でいるんだ!」
クゥの張り上げた声に、コタロウは私の胸の中に飛び込んできた。
あぁ‥後でガッツリ怒られるんだろうな!
ワタシ‥ (~_~;)