HAPPY BLUE SKY カッジュの旅立ち編 4
「エ‥独身寮出たのか?カッジュ」
「独身寮出て、どーすんだ?カッジュ」
「どーいうことですか?中佐」
「カッジュ‥剣流会の寮に入るのか?」
TOP様4人が口々に言った。
表通りのカフェで、中佐と私・TOP様でランチに来ていた。今日はお外でランチです。デザートに、スーパーパフェを食べるのだ。(*^_^*)
「はい‥もう独身寮はいいです。4年住みましたし、遠征や公務で、私はほぼイナイのも同然で部屋が勿体ないし、次に入ってくる新人兵の為に空けましたの。ッタ」
私はビリー副主任に軽く頭を叩かれた。‥‥ウソつくな。だな‥
「って俺にも言ったけどな。剣流会のスタッフが住む借り上げマンションに引っ越したんだ。2日前に‥俺はそこの下士官にコキつかわれたよ。家電のセッティングに棚の作りつけにさ」中佐はブツブツ文句を言ったが、
「またそれが嬉しい癖に!ワザワザそんな言い方しなくてもいいですよ。クゥ中佐」
ツィッター主査の言葉に、アーノルド少佐・ビリー主任(このお二人も先月昇格)笑いながらうなづいた。
「で…めでたく1人暮らしですか?ワンルームか?カッジュ」
「はい。ずっと寮暮らしだったんで、念願の1人暮らしです。間取りは2LDKですよん。キッチンもシステムキッチンでユニットバスじゃないし。これから部屋作りです」
「もう‥この下士官は今は空想に浸ってるよ。それも口に出すんだ‥それもデッカイ声でさ。棚つけてる俺はビックリして、ドライバー落としそうになったんだ」
「はいはい‥お部屋が出来たら俺達もぜひ招待してくれ。今度は酒付きでな!」
「はぁい‥いいですよん。あ‥私1人じゃないんですよ。扶養家族できちゃった」
その声に、TOP様4人は一斉に中佐を睨んだ?
「ち‥中佐!もう‥ガキ‥イエ‥作ったの?」
「う‥ウソだろう?いつ?今初期として」
ディック主査とツィッター主査が指でカウントした。
「カッジュ!誤解を招くような発言はするな!ちゃんと主語をつけろ」
「すみません‥TOP様!あぁでも家族と一緒ですよん。うちのコタロウは」
TOP様はお互いの顔を見合わせた。
「‥‥コタロウ?」
「何ソレ?」
「男?」
「どーいうことだ?カッジュ」
カッジュはまた嬉しそうに、システム手帳の中の写真を見せた。
「犬です!理事長先生のお知り合いで、最近仔犬が産まれたって聞いたんで見に行ったら、カッジュは一発で陥落されました。うちのコタロウ!A国生まれ・柴犬で、生後2ヶ月半です。今週末に引き取りに行きます!もう宿直も海外公務ないしね」
嬉しそうに笑うカッジュだった。
アーノルド少佐が俺に書類を渡しながら言った。
「また‥カッジュは速攻ですね。彼氏様もついていけないのでは?」
「うん。もう‥剣流会の話を受けたら動く動く。帰りの飛行機の中で独身寮を出る事を決めて、すぐに理事長先生にメールしてさ!飛行機降りたら、その足でアイツ理事長先生の家まで行ったんだぜ。俺はモノレールの改札から一人で帰ったよ」
「カッジュ‥そんなに嬉しかったんですかね?独身寮を出るのが」
「みたいだ‥ハイスクール3年間・ポリス3年間もずっと寮暮らしだったから。またさ、個室じゃなかったんだと!自分1人の部屋がずっと欲しかったそうだ」
「そうですか‥じゃカッジュの空想はますます止まらないね」
「うん。週末には仔犬も来るし、テンション上がりっぱなしだよ。カッジュは!またそれに俺も巻き込むんだ。もう‥次の公休の時に【お約束】させられたからな」
「ッハッハ‥ま!頑張って下さいね。彼氏様」
「他人事だと思って笑うな!アー!」
アーノルド少佐は、笑いながら中佐室を出て行った。
作品名:HAPPY BLUE SKY カッジュの旅立ち編 4 作家名:楓 美風