HAPPY BLUE SKY 後編5-2
「そんな怒るなよ!カッジュぅ」
また私を怒らせた後には、お決まりのご機嫌取りだ。それも目の前にメリー・シャトルさんが作った、シャロットケーキを置いて。ズルイ‥私がスィーツに目がないのを知ってこんな作戦に出るなんて。
「はい!口開けて‥バァさんのケーキは美味いぜ。キャリアが違う!アールグレイのアイスティも絶品だ。ほら」
私は口にシャロットケーキを入れられ、ストローでアイスティを飲まされた。後は目に見えた事だ。私のご機嫌は一発で治るんだから‥それを見て少佐は、また楽しそうに笑う。まるで少年みたいに‥こんな少佐も見たことがない私は、胸がときめいたほどだ。私って、そんなに少佐が好きなんだな。また自覚させられた私だった‥
2泊3日と言う短い滞在だったが、少佐と私は思いっきり遊んだ。また少佐は、母国を離れて長期の公務に入り超多忙になった。体力的にも疲れていたが、精神的ストレスも相当溜まっていたのだろう。また夕方には庭でバーベキューをした。
「あぁ!それは私のです。コーンは全部私の!」
カッジュのガキは自分の好きな物は独り占めするタイプだ。俺が目を離したら、自分のプレートにコーンを入れようとする。俺だってコーンは好きだからな。どうやら、俺が不在の間にTOPはカッジュを甘やかしていたみたいだ。
「キンダーで教わらなかったか?一杯ある場合は、お友達にも分けてあげましょうって!だからこれは俺の分だ」
カッジュのプレートの中からコーンを取り上げてやった。また、それでカッジュも反撃するからな。横で見ていた、メリーバァさんが見かねて俺達を怒った。
「クラウス坊ちゃま!カッジュさん!いい加減になさいまし!」と‥
バーベキューの後片付けをしてから、別荘の周りを散歩に出た。カッジュがバーベキューの時に【星空】をカメラで撮影したいと言った。この別荘の裏道を入って森林公園に入る事ができる。途中で小高い丘があった。そこから見る星空はとても綺麗なので、俺はカッジュをその場所に連れて行く約束をした。
「うわぁ‥キレイ!手が届きそうだ。いいアングルだぁ」
カッジュは顔をほころばせながら、ケースから愛用のカメラを取り出して撮影を始めた。俺は横のベンチで座っていた。バーベキューの時に呑んだアルコールの酔いが少し回って来たのかもしれない。カッジュが撮影してる間に、居眠りをしていたらしい。
「少佐ぁ‥こんな所で寝たら風邪引きますよ。別荘に帰ってベッドで寝ましょう」
カッジュの呼びかけで少し目が覚めた。目を開けると、カッジュの顔が思いの外近くにあって、俺はそのままカッジュの唇にキスをした。少し驚いてたカッジュだが、キスは3回目とあって、俺の唇を受け入れてくれた。
作品名:HAPPY BLUE SKY 後編5-2 作家名:楓 美風