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HAPPY BLUE SKY 後編5

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腕を引っ張られた私は、今度は少佐の足の上に座らされた。私は自慢じゃないが、父親以外の男性の足の上に座った事がない。少佐は私の顔に片手を添えて言った。
「俺の事‥まだ上官だと思っているだろう?好意は打ち明けて。キスは2回したけどさ」
私はどういう風に返事を返していいのかわからなかった。また‥目を閉じてしまった。返事に困ると、目を閉じる癖は中々抜けない。仕事中は(今もそうだけど)意識して、その癖を出さないようにしているけど‥

「返事がナイ‥目を閉じるって事はそういう事だ。そうだ‥カッジュ!いい事を思いついたぞ」私を膝の上から下して、テーブルの上の携帯電話を手に掴んだ少佐だった。

少佐が連絡した所は支部だった。
「大佐にお伝えください。休暇の申請と申請内容の詳細はメール送信しておりますので。よろしくお願いします」
たぶん、電話の相手は大佐付きの事務官だ。事務官も一緒に同行してC国に入国したんだな。どうやら、大佐は不在らしい。電話を切ってから、少佐は窓をロックしながら私に言った。

「出かけるぞ。2泊3日分のミニ・トリップに。出かけるから用意して」
エ‥エェ‥ 小旅行に行くの?イキナリ‥
私はまた、少佐の言葉にカタまってしまったのは言うまでもない。

それから1時間後、少佐と私はレンタカーでハイウェイを走っていた。横の少佐はサングラスをかけてハンドルを握っている。また初めて聴いた‥少佐の鼻歌も。何でこの人は、こんなにご機嫌なんだろう?どこに行くのかも、まだ聞かされていない私だった。
「どこに行くんだ?行先も言わず、車にほおりこんで!って顔に書いてあるぞ。ミサ」
「そう解明できるなら。私に教えてくれてもいいのでは?お見受けしますところ、すっごくご機嫌が良く見えるんですけど?ドーリ」

少佐は運転中なのに、右手で私の手を握った。
「ま‥俺にとっては役得かな」
少佐は笑うだけで、後は何も言わなかった。
役得って何なの?わからない私だった。
作品名:HAPPY BLUE SKY 後編5 作家名:楓 美風