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HAPPY BLUE SKY 前編2

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卒業式‥就任前プチ休暇


私はまだ夢心地で寮の自分の部屋に戻った。まだルームメイトが起きていて、私の着ているワンピースを見て驚いていた。彼女だって、私が着ているワンピースがすぐにわかったようだ。すぐに私に聞いてきたのだ‥
「カッジュ‥それ誰からのプレゼントなの?」

私はどう答えていいものやら‥一瞬迷った。ダイレクトに少佐の名前を出していいものかと思ったからだ。当たり障りのない【親】からにした。ルームメイトは一応納得したみたいだが。私はワンピースを専用カバーに入れてクローゼットにしまった。

「夢の中の事かと思っちゃった。少佐との食事の時間‥いやレストランに向かうのに、駅のロータリーに向かう時からだ。歩いてても足がフワフワしたんだもの。私は初めてかもしれないな。身内以外に男性と食事したの」
私の頭の中は、少佐との会話を思い出していた。

ロータリーを少佐の愛車が滑り込んできた。少佐の愛車はクーペのネイビーブルーだった。仕事用とプライベート用の車を持っていた少佐だった。クーペはプライベート用の車だった。窓が開き、私に向かって自分の手を上下に振った少佐だった。
「どうぞ‥」声と共に、右側のドアのロックが外れる音がした。
私はてっきり‥いつもの少佐スタイルで来るものだと思っていた。勤務以外に少佐の私服姿は見たことはなく、ブラウンのブレザージャケットとグレーのハイネックに同色のボトムで現れた少佐に驚いた私だった。しばらく言葉が出なかった私だ‥

「その顔は何だ?まるで化け物見るみたいな顔してるぞ。カッジュ」
「い‥イエ。少佐でもそういうカッコするんですね。驚きました」
少佐はハンドルを左に切りながら言った。
「そうですよ‥公休の時まで少佐スタイルやってられるかよ」
「ッハッハ‥そうですね。少佐だって公休ありますよね。でも、私は少佐の公休の時って見たことないですけど。この3か月の間は」

少佐は今度は、私の顔を見て言った。
「ま‥おまえが実習の時はなるべく、ファイン支部に居るようにしてたけどな。おまえは俺が目を離すと、力の加減がメチャクチャになるからな。監視してたんだ」
「ありがとうございますって‥言うべきでしょうね。私」
「うん。おかげでストレス発散なっただろうが」
「はい‥その後のご褒美もストレス発散になりましたから」
私は、この時無意識に笑ってたそうだ。いつもの口元スマイルだけではなく‥瞳も笑っていらしい。後年‥少佐から聞かされた。

少佐は私を【レディ】扱いしてくれた。少佐の事だから‥また私をからかいながら、怒り口調で私に接するのかと思っていた。車のドアを少佐が開けてくれ、私に手を出した時には驚いてしまった。
「何カタまってるんだ?常識でしょ‥レディが車から降りる時は。ほら俺の手を握れ」
私は震える手で、少佐の手を握って車から降りた。
作品名:HAPPY BLUE SKY 前編2 作家名:楓 美風