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HAPPY BLUE SKY

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実習の始まり



翌朝、朝6時45分に私は部室のドアの前に居た。
自分の胸に手を当てて深呼吸をした。そしてドアをノックした‥

ドアを開けた瞬間‥私の視界は煙に遮られ思わず咳き込んでしまった。
煙の正体は、タバコだった。部室の所々でタバコの煙が充満していたのだ。
「ッゴホッ‥ゴホッ‥し‥失礼します。今日から実習で‥ゴホッ」
あまりの煙に声が出ない私だった。

その時だった‥奥からまた突き刺さる視線を感じた。
次の瞬間‥また怒声が聞こえた。
「聞こえんぞ!!朝からそんなひ弱な声で挨拶すんじゃね!!英気が削がれる!もう1回やりなおせ!!」
「は‥はいっ!!」反射的に返事をして‥私はドアを閉めた。

何とか挨拶が終わったが‥私の周りには誰も人がいなかった。
「あ‥あの‥私は」私の声を聞き、そばにいた部員が私をジロッと睨んだ。
「もうすぐ最下っ端のヤツがくる。そこで突っ立ってろ」
ドアの横を指さして、また私に背を向けた。

覚悟はしていたが、初日からこんな扱いを受けるなんて。寮に帰ってからルームメイト・同じ寮生から、私が実習に行く部のウワサを耳にしたのだ。
「スッゲェ‥怖い男がいるんだって」
「ここの訓練校始まって以来の悪ガキだったけど」
「成績はいつも首位でスポーツ万能で、子分がワンサカ」
「で‥エージェント界のニックネームが」
「ファイヤーマン・クラウス」
「冷血男・クラウス」

そのクラウス・デ・ウィル・ボンバードが‥実習先のボスだ。
私は寮のカフェテリアの席で両手で顔を覆ってしまった。
これからの事を考えると‥

ドアが開いた‥
私は直立不動で敬礼をした。
「今日からお世話になりますッ!訓練校から参りました 
Kazumi Tateno 訓練生ですッ!よろしくお願いしますッ」

ドアから入ってきた男性は‥耳の中に指を入れて。
「あぁ‥ビックリした!少佐じゃないよ‥デスクワーカーのトムだ」
「し‥失礼しました」また頭を下げた私だった。

それからすぐに最下っ端の部員2名が出社してきた。
私に「部の心得」を熱弁した。
「いいか!うちの部はな‥男ばっかだ。女の部分見せたら即刻ヤキ入れるからな。そのつもりで行動しろ!」
「泣き入ったら、襟首つかんで即刻部屋から追い出すぜ」
2人に凄まれた私だった。

廊下から「カッツ‥カッツ」と足音が聞こえた。
部員の顔つきが一瞬に変わった。
「整列ッ!少佐が来たぞ」部員が縦2列に並んだ。
私も腕を引っ張られて末端に並んだ。
作品名:HAPPY BLUE SKY 作家名:楓 美風