HAPPY BLUE SKY
出逢い【1】
1年前に私は警察官を辞めた。もう心身共にボロボロだった。
そして自分が立ち直るために日本を出国することに決めた。
ある機関の訓練生としてN国へ旅立った。
飛行機に乗る前に親友の美樹には連絡をした。
受話器から聞こえてくる美樹の声が震えている。
「落ち着いたら必ず連絡してね。私‥待ってるよ。一美ぃ」
「‥うん」私も震える声で返事をした。
私が乗る飛行機の搭乗アナウンスが流れた。
涙を手の甲で拭いながら、私はエスカレーターに乗り込んだ。
N国に入国してからは多忙な日々を送った。
講義・実習・訓練の3コースが1日ビッシリ組み込まれていた。
終われば寮に帰って。レポートやその日の復習・翌日の予習が待っていた。
寝るのはいつも日付が変わってからだった。
体力・精神的にもクタクタで、余計な事を考える暇がなかった私だった。
訓練も後残すところ3ヶ月を切った。
3ヶ月を切ったところで訓練生は実習に出されるのだ。
この「実習」が終われば「卒業」である。
卒業すると‥NATOC(ナトック)陸軍隊員になれるのだ。
この実習で、実習先のボスから「A」評価をもらわなければ卒業できない。
次々と、クラスメイトが実習先が決まっていった。
でも‥私だけがまだ決まっていなかった。実習先が決まり翌日に担任教官と
実習先に挨拶に行った私だったが‥そこで私の運命を変える人物に出逢うのだ。
作品名:HAPPY BLUE SKY 作家名:楓 美風