ネットラブ…して変わった私
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以前なら、夫が出勤する時に布団の中から手だけのお見送りだったが。起き出して簡単な朝ご飯を作り、夫と一緒に朝食を食べるようになった。最初の頃は‥
「美菜子ぉ‥今日は雨かな?」と顔を引きつらせながら朝ご飯を食べていた。
「さぁ‥どうでしょう。天気予報もう一度見れば?」と笑ってやった。
夫が出勤してから、私はまた時計を見た。まだ7時30分だ‥以前の私ならすぐにノートパソコンの電源をONにするところだが。私の足はバスルームに向かった。
またハヤトが私にこんな事を言ったのだ。あれは先週の木曜日のチャットの時だったかな?
「みなぴーさ‥自分ではネット依存症だって俺に言ったけど。実は俺もネット依存症だったんだ。昼間は会社行ってるけど、帰って来たら即パソコンの電源ONにして。メシ食いながら片手はマウス操作して‥」話し出したハヤトだ。
「ハヤトもそうだったんだ‥パソコンの周りに必要アイテム集結させて。極力動かないようにするんだよね」
「そうそう!でもさ‥それは身体に悪いぜ」
「そうよね‥腰も痛いし肩も凝るし」
この時のチャットで、ネットの利害点を熱く語った私とハヤトだった。またこのチャットの時にハヤトと「お約束」をした私だった。その「お約束」を今‥実行している私だった。お約束はこうだった‥
「ずっと座りっぱなしは身体に良くない。パソコンをする前に一つお仕事を片付ける。片付けたらパソコンの時間にして。30分に一度は身体を動かすんだ。みなぴー騙されたと思ってやってみないか?違うぜ」アバターのハヤトは笑った。
今日で実行3日目だった。パソコンを起動する前に洗濯機ONにして。洗濯機がお仕事をしている間に、パソコンをONにし「メールチェック」し。いつものサイトにログインする。この頃は朝にログインすると、ハヤトから「おっはぁ。ハヤトは仕事に行って参るぞよ。(*^_^*)」のショートメッセが受信BOXに届いているのだ。これを見ると「私も仕事すっか」という気分になる。
そうして、私は少しずつだけど。家事もデキるようになったのだ。ハヤトのおかげで、少しずつパソコンの前に座る時間が短くなっていった。家事をしている間には、時々ミラーが私の視界に入り。またミラーの前で‥自分の姿を見るようになったのだ。
「ホント‥ネットばかりやってちゃダメね。家に籠るし‥私老けたかも知れない。この1年間で」ミラーを見てため息をつく私だった。その事をハヤトに愚痴ってると‥またハヤトに言われた。
「1日1回はお外行きなさい。買い物だってネット・スーパーで済まさないでさ。タマにはカタチとして残るモノを自分に買ってあげなよ。例えば‥ルージュはあまり好きじゃないみなぴーさん‥こんなのはどう?」また話し出したハヤトだった。
作品名:ネットラブ…して変わった私 作家名:楓 美風