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＜２＞
　私も驚いているがもっと驚いている人がいる。それは夫だった。ハヤトと「オヤスミ」をして、寝室に戻るとビックリしていた。まだ起きていたようだ。
「ど‥どーしたの？もうパソコン終わったのか？」
「うん。だからもう寝るの」私は横に引いてある布団に潜りこんだ。
夫はまだ「信じられない」って顔をしていたな。いつも寝るのは早くても午前３時過ぎひどければ‥明け方に寝る私だから。驚くのはムリないか‥それに時計はまだ日付が変わってないから。

　元々、私の身体は睡眠時間６時間30分で目覚めるらしい。ネットにハマる前は６時間30分を過ぎると自然に目が覚めていた。今日は夫と同時に目が覚めた。
「俺‥夢見てるのかな？美菜子が朝起きてるなんて」
「夢じゃないよ‥起きてるでしょう。ほら」夫の手を軽く叩いた私だった。

　朝に活動するなんてホント１年振りだ。睡眠が足りると身体も軽いのかな？ネットで夜更かしすると、起きたら頭が重いし身体も倦怠感が残っている。でも今日は違うようだ。ハヤトが言ってたこと実行してみようかな？

　昨夜はチャットの会話の中で「片付け」の話題が出た。私は自分で「ミルフィーユ症候群」だと恥ずかしいけどハヤトに告白したのだ。私の話を聴いてドン引きするんじゃないかと思ったが。ハヤトは豪快に笑い飛ばしてくれた‥
「なんやぁ‥みなぴーも仲間やん。俺もそのミルフィーユ症候群やってん」
「やってんって‥過去形だけど。今はそうじゃないの？」
「うん。俺さまとめて片付けようと思って。１枚置いた服の上にまた１枚置いて行ったんだ。それってさ‥気がつけば」
「うん。重なるよね」
「だろ‥部屋の隅に何個もの山がデキちゃってさ。その時にさ本を読んで」

　ハヤトは自分が読んだ書籍を私に教えてくれた。またハヤトも私にアドバイスをしてくれた。一気にヤッちゃうとしんどいぜ！って。
「だからさ‥トイレ行く時やちょっと歩いた時に１個だけ持って。お片付けだ‥それならみなぴーもデキるんじゃない？」と‥

　ハヤトの言う事はまた妙に納得してしまう私だ。その日から１個だけ持ってお片付けをした。１日10個片付けて×５日だ。50個のモノが片付いた‥気がつくと。部屋の片隅にあった「ミルフィーユ」の山が２個消えていた。片付けるのが普通なのに、私は片付けられなくて嫌気がさしていたから。２個の山が消えたのがすごく嬉しかった。それを境に、私はドンドン「ハヤトマジック」に引きこまれていった。
自分自身が驚くぐらい‥変わり始めたのだ。