ネットラブ…して変わった私
第2章 話せば話す程‥
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ハヤトと初めてチャットして、私は今までにない気持ちになった。たっくーとも楽しかったけど、ハヤトはそれ以上に楽しかった。たっくーと遊んでいた時は、自分には縁のない世界の事に憧れて。ソレをよく話した‥
「ネットの世界は、顔と姿は見えない」と思っていたから。私は言いたい放題だった。また、たっくーもそれに同調してくれて話しを聴いてくれた。もちろん、たっくーの話しも聴いたわよ。それが「チャット」の「お約束」でしょ。
でもハヤトは違った。私の話しをずっと聴いてくれるのだ。時々質問も入れてくれながら、私の話を聴いてくれる。この前も私が憧れている世界の話をした時にハヤトは言った。
「そうだね‥じゃ!みなぴー!こう言うのはどうかな?もしもだよ」
ハヤトは仮定しながら私に話しをする。「仮定」だけど、ハヤトの話しは私を妙に納得させてしまうのだ。最終的には私の口からこういう言葉が出るのだ。
「じゃ‥やってみようかな。小さいな1歩だけど」
私の口からこんな言葉が出るのだから‥自分でも驚いている。
またハヤトとネットで遊ぶようになってから、私はちょっとずつ変わった。何が変わったのかと言うと。ハヤトが言い出した事なのだが‥
「俺ノド渇いちゃった。ちょっとオチていい?みなぴーも休憩しなよ」
「そうね。うん」私がOKすると‥ハヤトはまたこう言う。
「じゃ、休憩の合間に俺は用事済ませちゃう。みなぴーもすれば?そうだな。30分後にまたチャットしない?」
以前の私ならば「エェ‥今話しがノッてるのに」と画面の前でボヤいていたが。不思議な事にハヤトが言った言葉に、私は素直にうなづいているのだ。信じられないけど。休憩すると熱が冷めるのだろうか。ハヤトと待ち合わせの30分後のチャットはちょっとおしゃべりして、「オヤスミなさい」をするのだ。時間にして15分だ。この私が15分のおしゃべりで「満足」してオチるようになったのだ。たっく―の時は、たっく―がオチてもヒトリでまた「ゲーム」にハマっていたのだが。
またチャットで話している時に、ハヤトが言った。私が1日の睡眠時間を話したことがきっかけで。
「みなぴー!お肌の為に寝なさい。女性のお肌はね「宵越し」が一番ダメなんだって。男も一緒だよ‥みなぴーさ!今肌の状態どうよ?」
「最悪よ。肌荒れしてるし、不規則な生活してるからね。私」
「ソレはダメだよ。改善しなさい‥ハヤトも美肌目指すから。一緒にしようぜ」
用事を済ませ30分後にまたチャットをしても。15分でオチて‥23時45分には
「オヤスミ」とハヤトも私も「バイバイ」するのだ。おかげで私は1年振りに、日付が変わる前に布団に入るようになったのだ。 私はそれから「ハヤト」のマジックにかかってゆくのだった。
作品名:ネットラブ…して変わった私 作家名:楓 美風