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私だって…

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夫との離婚が成立した。どうやら、私は今まで夫に舐められていたみたいだ。浮気が発覚しても私を言い包める(くるめる)自信があったようだ。でも予想が外れたのだ。娘の萌が全面的に私の味方に付くとは計算外だった。たかが17歳されど17歳の萌に叱責を受け、挙句の果てにはパパっ子だった萌「パパなんか‥大っキライ」と言われたのが堪えたようだ。現に離婚後も弁護士の先生に萌との「面会」を申し出ているが萌が逢いたがらない。ソレもまた前夫 健吾は堪えているようだ。
 
住み慣れた家を出て萌と新しい生活が始まった。萌の始業式が始まる前に引越しを済ませた。そら太は今度のマンションにベランダがあるのが気に入ったみたいで、専用ベッドを自ら運んで1日中そこに居る。4月のお日様の陽射しが温かくて気持ちいいのだろう。今日も私と萌が出かける時もそこに居る。
「そら太!ママと萌行ってくるね」
声をかけると、目を開けて寝たままお義理的にシッポを振った。そんなそら太を見て萌は怒った。
「こら!何だソレは‥そーいうのはね。拓哉先生的に言えば「柴公の職務怠慢」って言うんだよ。そら太!わかってる?」と怒る萌だった。そら太は反省したのか、立ち上がって萌と私に吠えた。
「ワンワン」 (行ってらっしゃい‥だと思う)萌と私は玄関の中で笑ってしまった。その「柴公の職務怠慢」を雅樹先生に教えてあげると、雅樹先生と由美っぺは絵筆を持った手を震わせ笑った。
「その拓哉先生っておもろー!(面白い)ぜひ逢いたいわ‥俺」
「うんうん‥その先生って有名なんだってね。言葉遣いも面白いけど、アニマルオーラー王のイッシィさんって。クリニック内外で有名よ!どんな子も懐いちゃう」
「あぁ‥それでか。納得がいった。だからあのそら太が懐いたんだ」
由美っぺの言葉に、私は深くうなづいてしまった。

母娘生活も慣れれば快適である。同姓同士気を遣わなくていいし、また萌も私も似たような体型で母娘で服の貸し借りOK・食べ物の好みも同じ(私が育てたからあり得る話しかもしれない)また、私に似て記帳魔の萌ちゃんで何でも記録する。ヘタな事言えないのよね‥

「それ違う!ママはこう言ったもん。萌ノート見る?記録してるよ」
‥と言われるのだ。私が育てた娘だけどね。また本来のお世話焼きに拍車がかかって私のお世話まで焼いてくれる。本人は曰く‥
「受験勉強中の気分転換になるし!いいのぉ‥それにママって危なっかしいから!」
こら!一言余計よ。アンタ (;一_一)
ソレを雅樹先生と由美っぺに聞かれて、二人は私を見て大笑いするんだ。また頭もコクンコクンと数回上下するんだから。ま‥いいか‥萌の気分転換になるのなら、お世話されてもいいわね。
作品名:私だって… 作家名:楓 美風