私だって…
雅樹先生の個展が終わった。個展は大成功だった。また雅樹先生の絵も売れたのだ。そのお客様は新規のお客様だったので、雅樹先生は喜んだ。私達も喜んだが。売れた絵は私もすごく気に入っていた絵だったので、だから売れてすごく嬉しかった。
雅樹先生が個展のお手伝いのお礼にと、私と由美っぺをホテルのランチに誘ってくれたのだ。ホテルでランチなんて久しぶりの私は、舞い上がってしまった。娘の萌には相談したものだ。
「どんなカッコすればいい?ランチなんだけど」
「お洋服見に行こうよ。やっぱプロの人に聞いた方がいいよ」
翌日には、萌と私は都心まで出て服を買いに行ったのだ。萌の言う通りだった。ブティックスタッフのアドバイスを聞いて服を選んだ。フィッティングルームから出て来た私を見て、萌は褒めてくれた。
「ママ!大人可愛いよぉ。ソレ!よく似合ってる」
またスタッフも褒めてくれた。
萌には同じブティックでチェニックを買ってやった。とても喜んでくれた。帰りには二人でオープンテラスでランチも食べてスィーツも食べた。萌とこんな時間が持てた私は嬉しくてよく笑った。また萌もよく笑った。
「萌‥ありがとうね。また誘ってもいい?お洋服選びにランチとスィーツに」
「うんいいよ!ママ、雅樹先生の所で働きだして明るくなったね。家に帰って来てもママこの頃ずっと笑顔だよ。前はあんな態度を取ってごめんなさい」
萌は私に頭を下げたのだ。それにはビックリしたけど。
「ううん、いいの。事実だもん‥ママはねずっとお家の中に居たからどうしても目が萌に行っちゃったの。パパにもね‥口うるさかったと思う」
「そうなんだ‥でも今は違うでしょ。ママ」
「うん!毎日楽しいわ。忙しいけど、ね‥萌聞いてくれる?ママ相談があるんだ」
この日私は16歳の娘にもう理解できる年だと思ったから、相談をした。。