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私だって…

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雅樹先生のアシスタントをしながら、個展のお手伝いもした。家事に仕事に忙しい日々を送ったがすっごく充実していた。元々そんなに太ってはなかったが、アシスタントに入ってから3キロ痩せた。由美っぺも3キロ痩せた。雅樹先生も3キロ痩せた。私達3人は顔を見合わせて言った。
「揃いも揃って3人で3キロ痩せる?」
「それだけ、雅樹先生と私とかなっぺは仲が良い事にしようよ」
「うんうん!そーいうことにしましょう」3人で笑いあった。

また、私は忙しい最中でも自分の為にしたことがあった。育児・家事に追われて女は手を抜くと、とことん手を抜いてしまう。私は風呂上りパックをした。顔のうぶ毛も気になっていたのでタウン誌で見つけた「お顔剃り」にも行ってきた。終わった後に自分の肌を触って驚いた。
「ツルルツぅ‥萌の肌じゃないけど。ううん、勝ってるかも」
1人で喜んだ私だった。また、カラ―リングもしたのだ。オールブラックだった髪をライトブラウンにしてみた。萌は私の髪を見て驚いていた。
「ママぁ!キレイ!どこの美容院でしたの?萌にも教えてその美容院」
初めて娘の萌に誉めてもらったのだ。またその時に私の肌を見て気づいたようだ。
「ママ、エステ行ったの?肌ツルツルしてる!それとも化粧品替えたの?」
「ううん‥お顔剃りに行ったの。今度萌も連れて行ってあげるわね」
「うん!楽しみにしている」
萌は久しぶりに私の前で笑ってくれた。小さい時に萌の笑った顔が大好きだった。私はよく「萌たんスマイル」と言って娘を抱きしめたわ。あまりにもその笑顔がかわいくて。

それから、ちょっとずつ萌が話をしてくれるようになった。ソレが嬉しくて雅樹先生に話してしまった。雅樹先生はうなづきながら言った。
「嬉しいんじゃないの?ママがキレイになったからさ。素直に喜んでよし」
「ですかね?じゃもっと磨かなきゃ」
「うん!磨け磨け!磨いてもっと綺麗になってね。加奈子さん‥俺だって鼻高いよ。美人のアシスタントさんだと」笑った雅樹先生だった。
作品名:私だって… 作家名:楓 美風