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私だって…

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教室に入って来た私を見て、雅樹先生がビックリしていた。いつも地味系の服に大人し目のメイクの私じゃなかったから。
「加奈子さん!変身だぁ。おぉ‥キレイやん、メチャ似合ってますよ。あぁ、加奈子さんはピンクよりもオレンジが似合うと思ってたんだ。そのアイメイクいいですよ!あ、髪パーマ当てたの?今アップにしてるけど」
私は嬉しかった。雅樹先生に誉めてもらえて。この人は私の事を見てくれてるんだ。洋服や髪形・パーマ当てたのもわかってくれたし。メイクカラーも違うのも当てた。
「ありがとうございます。嬉しいわ」赤くなった私だった。
また、由美っぺも誉めてくれた。
「いやぁん‥よく似合う!変身だよ‥かなっぺ」
その日私は1日気分が良かった。人に褒められるってなんて気持ち良いんだろう。ここ数年間、心から笑える事があまりなかった私だったから、とても嬉しかった。

メイクを変えて髪形を変えて服も替えて全部自分が変わるワケでもないけど、心は元気になった。教室で絵を描くのも楽しいが、仲良くなった教室のお友達・また雅樹先生も入って「懇親会」と称して、ランチ・ディナーやまた数人で「美術展」も行き楽しんだ。 家事も前ほど熱心にしなくなった。適度に済ませることにして、萌には自主性を持たせることにした。前は「萌ちゃん!アレ持った?忘れ物ない?」とかツイ口を出してしまうことがあったが、突き放すことにした。全て突き放すわけでなはい。「デキなかったらママに言ってね」と一言を付けくわえた私だった。 健吾にも前ほど言わなくなった。そして聞かなくなった。絵画教室に通っている事は報告して、健吾が文句を言う前に言ってやった。
「もう、萌も高校生になったでしょう。手もかからなくなったし。私また絵を描きたいの。絵を描いて職業にするのではないの。自分の為に描きたいの!費用は私の独身時代の貯金から出します」
言った時の健吾の顔は‥「あんぐり」状態だった。 
作品名:私だって… 作家名:楓 美風