詩⑫
些細で小さな論争 僕らのやり方
愛ゆえの主張 複雑な言葉 相違の応酬
負けず嫌いの ぶつかり合い
夢見るあなたと 現実主義の私
どちらも間違ってないし正しくもない
多分 私達は分かっていながら 言葉を投げ付ける
後になれば いかに下らなくて愚かだったか
そしてあなたを傷付けたか 分かるのにな
私は大人ぶったふりして その思想を崩そうとする
あなたは純粋だから 醜いものに目を必死に反らす
私もそんな風になれたら良かったのにな
身も心も傷跡だらけじゃなければ 同じ場所に立てたかな
こういう語りさえ きっと私の押しつけの主張
あなたを傷付ける鋭利なナイフにしかならない
音立てて 凶器をアスファルトに放り捨てた
二度と拾えぬように 見えない遠くへと
ヒトは分かち合えないから 他で補い合う
損得勘定 利害関係の一致 私の答え
育った環境も 性別も 違(たが)う私達
何もかもが合致しなくて当たり前なんだ
私達は変わらず今日もぶつかり合う
同じ方見ながら 目指しながら
不思議な話だけど それすら愛深める作業で
矛盾しているのを 信頼関係が諭す