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遅くない、スタートライン 第2章

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第2章(3)

私の救世主のMASATOさんが、スクールの臨時講師になり講義を受けれる事になり、嬉しさのあまり、家に帰ってからも、夢心地が続いた私だ。
また家に帰るまでに、駅前で姉に逢った。

「はいはい!あなたの救世主のMASATOさんの講義が受けれて良かったね!」と
私の頭をなでた姉だった。もぉ…恥ずかしいでしょう!お姉ちゃん ( 一一)
アラサー前半の女子の頭を、公衆の目の前でなでるなんて。
ま、姉としたら私が少しずつ回復してるから嬉しいんだな。


その日から、MASATOさんの講義を指折り数えては「あと何日すると…」
とつぶやき、ニンマリしている私だった。

あぁ…私は小説家志望ではないが。文章を書くのが好きだった、
また読むのも好きだった。
姉が読書好きの私にこう言った。

「美裕さぁ…作文得意だったでしょう?いい機会じゃない。もっと勉強してみたら?」
何を勉強するのか?私は首をひねったが、姉はこう言った。

「まだ…体力的にお仕事するのはどうかと思うの。今の美裕には時間あるでしょ?
趣味や好きな事してみれば?MASATOさんみたいな文章書きたいでしょ?」
と…私の心を見透かしたように、姉は言った。

それからは私は、例のごとく【黙考】に入り結論を出したのだ。
MASATOさんのかもめ本の文章を借りたら、

【自分は何がしたい?迷ったら、子供時代からの自分を思い出してみよう】

あぁ…またドンピシャの文章を書いてくれるわ。MASATOさん!
私は文章の通りに、幼稚園時代から自分のやりたかった事を思い出していった。

その答えが出た。作文を書くのが好き!本を読むのが好き!本を書く人になりたい!と小さい頃は思っていた。小さい頃だ…小説家なんて言葉知らないし、エッセイなんて言葉知らない。小説を書くのは色々と情報収集しなきゃいけないし、時代考証なども考えないといけない。私はどちらかというと、エッセイや紀行文を書きたいと思った。


姉の他にもう一人私にとって、グッドタイミングでアドバイスをくれた人物がいた。その人物は、姉の娘の有彩(ゆうさ)ちゃんだった。
有彩ちゃんはこう言った。

「美裕ちゃん(叔母なのにこう呼ぶんだ)美裕ちゃんの入れてくれるカフェオレとかココア美味しいよね。また出してくれる焼き菓子やケーキも超好きだよ。ね!カフェオープンしなよぉ。文筆家!経営もする女子やってみたら?」

と…言ってみた姪っ子ゆうさちゃんだった。
横で聞いていた姉は娘の頭をなでて、
「ゆうさ!グッドな発言だ」と笑って言った。

そして私は、無謀にも今のスクールに入学したのだ。
スケジュール調整をしながら、養成スクールとカフェスクールに通い始めた。

2回目のMASATOさんの講義の時だった。

自分の事を原稿用紙に2枚書く課題を与えられ、書いた私だ。
書き上げた生徒からの文章を読んでいたMASATOさんは、教室の中を見渡して。
「この名前なんて読むの?樹木の樹に美しい…」
「あ!私です。いつきみひろ です」手を挙げた私だ。

「あぁ…あなたなんだ。ちょっとこっち来て!」と…
MASATOさん…イエ…MASATO先生が言った。

あら、怒られるような文章書いた?ワタシ…
恐る恐る…MASATO先生のところに行った。