遅くない、スタートライン
(第1章)(2)
姉からもらった本は、1日に1章ごと読むことに決めた。
一度に読んでもいいのだが、私の心と体には、衝撃的かもしれないと思った。
だって、序章の文章で昨日の状態だから。
あぁ…私って誰だかわかりませんね。
改めまして、樹 美裕(いつきみひろ)と申します。
年齢はアラサーかろうじて前半です。
これから少しずつ、自分の事もお話していきます。
朝すっきり目覚めた私は、まず風呂を沸かした。
姉が気が向いたときに入りなさいと言い、この前来た時に、バスタブを洗ってくれていた。
朝からお風呂とちょっぴり贅沢がスタートラインでいいじゃない。
それから昨日…ちょっとだけ決めたんだ。
「一度には前の生活には戻れないよ。ちょっとずつね」
と…自分に言い聞かせた私だ。
それからの私はおまじないのように、
「一度には全部できない、少しずつ」とか
「一度できたら、自分をほめる」とか、
かもめ本(勝手に決めさせて頂いた)の文章をつぶやいていた。
それから1週間ほど過ぎただろうか?
まだ遠出はしていないが、家の外にも出た。
2,3日前から、少しの時間だが家の外に出ることにした。
かもめ本の著者 MASATO(まさと)さんも外に出ることは
良いことだと書いてあったから。
今日はどこまで行こう、とか
ここまで行って用事をして帰ってくるととか、
決めないで、気の向くままに歩く。
ただそれだけで歩くことにした。
気の向くままの散歩をして帰ってきた私は、
手に小さなビニール袋を手にしていた。
今日の収穫だ。MASATOさんが書いていた。
「贅沢なんて思わないで、花1輪や植物も自分を満たしてくれるから」
ホント…花なんて買ったのは何年ぶりだろう。
どこに飾ろうか、それを考えるだけで楽しかった。
これが「心の贅沢」なんだね。
作品名:遅くない、スタートライン 作家名:楓 美風