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ワタリドリ
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それでも太陽は赤く染まる!第17回「こもれびの姉弟!」

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「通りすがりの小学生とか出勤途中の人とかが怪しげに観察してるところあたしは必死でよろめいて立ちあがったりしてすごくみじめだった。中にはにやついてる学生の男なんかもいたわ。スカートまくれてパンツ丸見えだったから、蹴っ飛ばしてやりたかったわ!ってそんな事はどうでもいいけど・・・。とにかく危うく死にかけたって話よ!(-_-)」

ひとし、だいぶあっけにとられて・・・。

ひとし
「き、聞いてないよそんな話し!なんで言わないのさ\(◎o◎)/!てか、お姉ちゃん自転車乗れたんだ!」

美穂、のんきなひとしの反応に、面倒くさそうに・・・。

美穂
「あこがれだったからね、自転車通学って。お母さんたちには駄目だっていわれてたけど・・・。通ってた高校の友達でおニューの自転車買うから譲ってくれるって子がいて、こっそり帰りに河原とかに寄って練習してたのよ!(-_-)ひざじゅうあざだらけになったけど持ってた体操のジャージでかくしてね。さんざん通ってく人たちに笑われたりはしたけど、そんなの夢中になってペダルこいでたからぜんぜん気にならなかった!( ̄д ̄)」

そんな姉の言い方にまた小ばかにしたように・・・。

ひとし
「へ~プライドが高いお姉ちゃんには想像できない事だね。\(◎o◎)/!まあ強がって教えてくれなかったのは何となくそのせいだからってのは分かるけどさ。」

負けず嫌いなせいか、ひとしが何か言う度、頭に血がのぼる美穂・・・。

美穂
「うるさいわねいちいち!(#⊳Д⊲)本当はお母さんたちにも黙ってるはずだったけど、さすがにその日は身体中が生ごみ臭くて学校さぼっちゃたから、お節介の担任が家に電話してきたのよ。さんざんお父さんにまで小言いわれて、本当恥ずかしいったらないわ。自転車も結局前かごとタイヤが壊れて処分させられっちゃったし。そのおかげで命拾いは出来たけど踏んだり蹴ったりよ!(#⊳Д⊲)」

ひとし、調子に乗ってテンションあがって・・・。

ひとし
「ハハ、学校の先生が電話ってぼくと同じじゃん。(^^)お姉ちゃんも案外普通に人間なんだってなんか安心しちゃった。\(^o^)/」

美穂、そんなひとしにお気楽な顔にイラっときて・・・。

美穂
「一緒にしないでよ!(#⊳Д⊲)バカでお気楽なあんたなんかと比べられちゃたまんないわよ。ああもう嫌だ!やっぱりあんたになんか話すんじゃなかった。どうせふざけて面白がる事わかってたし。勝手にゴミに埋もれて死にかけた、発作持ちの姉だって笑って言いふらせばいいでしょ。どの道友達すらいないから言いふらす相手なんかいないでしょうけど・・・!(⊳Д⊲)」

ムキになるひとし・・・。

ひとし
「なんだよ、母さんと同じような事言わないでよ笑うわけないじゃないか!病気の事なんだし!\(`〇´)/そこまであほじゃないよ僕は。お姉ちゃんの事どれだけいつも心配してると思ってるんだよ。感謝して欲しいくらいだよ。!\(⊳〇⊲)/」

美穂、軽蔑そうな視線でひとしの心をさすように・・・

美穂
「どうだかね~!( ̄д ̄)小さいころよく公園に行ったときとかあたしが発作で倒れ込んで漏らしてた時、あんた笑ってたでしょ!他のガキどもと一緒になってあほずらしてさ・・・。ちょっと自分が障害ないからって見下したみたいに!ほんと、なんて憎たらしい弟だって思ったわよ!\(⊳Д⊲)/おかげであの時のくつじょくが頭に焼き付いて離れないのよ!胸張って心配する自信あるっていうなら、責任もって姉孝行して償いなさいよ。えっ!(#⊳Д⊲)」

ひとし、姉に押され罪悪感もあってか急に弱気になって話しから逃げるような情けない声に変わり・・・。皮肉笑いで・・・。

ひとし
「そ、そんなのまだ僕が右も左もわからなかった時の話しだよ・・・。(#^ω^)それに僕もあの時のお姉ちゃんが見せた怒り狂ったような鋭い視線がいまだに焼き付いてるようなきがする!\(>_<)/」

美穂、図に乗りすぎるそんなひとしの反省したような反応に満足してか・・・。

美穂
「まあ、今となっちゃどうでもいい戯言のような思い出だけどさ。あんたは今になってもたわけのまんまなわけだし。おかげで免疫ついたってゆうか、あれからくだらない連中にどんなに見下されようがもう痛くもかゆくもないわ。!\(⊳▽⊲)/ていうか、あほ相手に本気になって切れてたあたしが恥ずかしい。」

再び、ムキになるひとし・・・。

ひとし
「なんか馬鹿にしてるでしょ、それ絶対!\(⊳〇⊲)/自分が持病もちだからって棚に上げてひがんじゃってさ。お姉ちゃんだって頭の中、ぜんぜん子供の頃のまんまじゃないか!まるっきり成長してない!」

美穂、もうひとしの嫌味も届かない。いつのまにか開き直ったような明るい表情に変わって・・・。

美穂
「よし、頑張って速足で歩いたおかげでなんとかいつも通りに着けそうだわ。携帯は反応ほとんど死んじゃったみたいだけど。一日くらいなんとかなるでしょ!\(⊳▽⊲)/」

ひとし
「(聞いてない・・・!)(-_-)」

ひとし、調子のいい美穂にあきれてもう何も言わずふてくされて恨めしそうに見つめているといつのまにか美穂がだいぶ気分を取り戻したような笑みに変わって・・・。
美穂
「まあ、なにはともあれあたしにはあたしの生き方があるのよ。(*^_^*)あんたもせっかく昨日やりたい事決意したんだから、頑張ってともだちつくりなさいよね。生涯、友達ひとりいるのといないのとじゃ、やっぱりいた方がいいに決まってるんだから・・・。」

ひとし、少し照れてるのかいじけてるような顔をして・・・。

ひとし
「わかってるよ、そんな事・・・!\(`〇´)/」

美穂
「あたしも高校の時に出来た友達とは忙しくなってお互いにだいぶ離れちゃったけど、あの子なりに一生懸命がんばってるんだろうなって時々思い出したりしてエネルギー貰ったりしてる。(*^^*)だからあたしも全力で今の職場の彼氏にもっと近づけるように頑張らないと。いつどうなっちゃうか分からない持病もちの人生だったらなおさらね・・・。(*^_^*)」

姉の穏やかな笑みにしだいにゆっくりと高ぶっていた興奮と苛立ちがおさまって行くひとし。姉はやはりどこまで行っても自分の姉なのだと何だか不思議な気持ちを感じていた。

沢山の彩られた桜並木のすきまからいつのまにかほのかで暖かい木漏れ日の光りがふいに見上げたひとしと美穂の姉弟の身体をやさしく照らすように包み込んでくれていた。

心地よいそよ風と共にどこかから小鳥の透き通るようなさえずりのねいろが聞こえてくる。

そんな和みの空気に浸っていると、突然美穂が歩行者の見える歩道の方に何か気づいてか裏返ったような声で・・・。

美穂
「う、うそあいつ・・・\(◎Д◎)/!ま~た新入りの女子社員たちとじゃれあってる!\(⊳Д⊲)/」

怒りの生命が燃え上がった姉の視線の先には数名のつるんだ若い男女が楽しそうに地下鉄の外の歩道を歩いている。とはいっても男は1人だけど。

ひとしも姉のただならぬいきどおりにあわてて振り返って・・・。

ひとし