小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

化粧して!

INDEX|7ページ/8ページ|

次のページ前のページ
 


「行信」

 向かい側の席に向かって、疲れた声で美姫さんが呟きます。

「ん?」

「もう…撮ってくれても良いよ? しゃ・し・ん。」

「そんな事したら、化粧、落としちゃうんでしょ?」

 行信君は、ひたすら視線を逸らさず、向かいに座る美姫さんの顔を見続けていました。

「目、疲れたでしょ?」

「─ 疲れないけど」

「もう30分以上は、そんな事してると思うんだけど。。。」

「…だって、見飽きないし♡」

 根負けした美姫さんが、思わず呻きます。

「自分の顔を鑑賞されるの、もう嫌なんだけど…」

「そう?」

「写真…撮って欲しいかな。」

「えー」

「と・っ・て、ほ・し・い・な!」

 流石に潮時だと判断した行信君。

 美姫さんの顔を見るのを止め、スマホに手を伸ばします

「承知致しました。ひ・め!」

「─ 姫って呼ぶな。」

作品名:化粧して! 作家名:紀之介