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化粧して!

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 いつもの店のいつもの席。

 2人は、向かい合わせに座ります。

 注文した品が運ばれ、顔見知りの店員の姿が消えるや否や。

 行信君は、スマホを取り出しました。

「何?」

「化粧した顔を…写真に残さないと!」

 やられっぱなしなのを、少し苦々しく思っていた美姫さん。

 ここぞとばかりに、反撃を試みます。

「写真を撮ったら、その後、化粧 落としても良い?」

「え…?」

 表情を曇らせた行信君に、美姫さんは してやったり顔で微笑みました。

「─ その条件なら…撮ってくれても良いけど?」

「判った。。。」

作品名:化粧して! 作家名:紀之介