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化粧して!

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 当日。

 遠隔地の八雲博物館に行く2人は、早朝の駅のロビー待ち合わせました。

 約束の時間より30分早く来た薫さん。

 辺りを見回して、まだ浩介君がいない事を確認します。

(化粧して人前に出るのって…久しぶりかも)

 隅のベンチに腰を降ろして、バックから、化粧ポーチを取り出しました。

(うまく、出来てる?)

 辺りに人影がない事を素早く確認した薫さんは、鏡を覗き込みます。

(…口紅、変?)

 ポーチから急いでリップブラシを取り出す薫さん。

 なれない手つきで、コワゴワ唇をなぞります。。。

作品名:化粧して! 作家名:紀之介