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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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EMIRI どんなに素敵な昨日でも

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第2章: カウンセラー



 その晩、恵美莉は奈美に電話して、菅生春樹のことを話した。
「へえ、そいつカッコいいの?」
「まあまあかな。3人とも」
「彼女はいるか聞いた?」
「まだ、そんな話できる訳ないでしょ」
「何言ってんの。恵美は、3倍速ぐらいで行動しないと置いてかれるよ」
「でも、すかした奴なんだ」
「どういうタイプ?」
「キッドみたいな感じ」(キッドとは、二人の中学時代からの知り合い。)
「ああ、いいじゃない。キッド君みたいなら。クラスの友達誘って合コンでもしたら?」
「恥ずかしいし、どうやっていいか分からない」
「今度はおごってとか言えば、変に思われないんじゃない?」
「なるほど」

 恵美莉は正直、乗り気ではない。目の前に訪れたチャンスかもしれないと思ったが、颯介と別れたばかりで、他の男にそれほど興味など持てるはずはなかった。

 翌日、恵美莉は河辺みのりに会って、
「大変だったのよ! 今度おごってよね。スペシャルランチ!」
「どうしたの?」
昨日の出来事を説明した。
「そうだったの。ごめんごめん。じゃ、今日お返しにおごるから許してね」
みのりは調子よく、恵美莉の腕を抱き寄せながら言った。

 その日の食堂で、みのりとスペシャルランチのトレーをテーブルに置いて座ろうとすると、
「今日は、ハンバーグとエビフライか」
後ろから聞き覚えのある声。
「え?」
恵美莉は振り向いた。そこには笑顔で、カレーのトレーを運ぶ菅生春樹がいた。