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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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EMIRI どんなに素敵な昨日でも

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「なんか、食べづらい雰囲気だね。カジキ少しそっちに分けるよ」
「じゃ、ラムチョップ1本、はい」
互いのプレートに載せあった。

「カジキって何も味しませんね」
「本当だね。塩コショウだけみたいな」
「何かつまらないあたし、みたいな感じ」
「何言ってんの、君はもっと魅力的だよ」
恵美莉は少しニヤ付いた。
「でも、これは何かソースが欲しいところですね」
「あ、このサラダと一緒に食べたら、意外にドレッシングがバッチリ合うよ」
恵美莉も生ハムのサラダと一緒に食べてみた。
「あ、ホントだ。おいしい」
「でも、ワインは白にするべきだったかな」
桧垣は、ラムチョップの方に合わせて、赤ワインをハーフボトルで飲んでいた。

「じゃ、お羊さんはどうかな?」
「ははは。お羊さんって。川崎さん」
 恵美莉は、ラムチョップをナイフとフォークで捌こうと思ったが、骨が邪魔でうまくいかない。
「ふふふ、手で持っていいよ。フライドチキンみたいに」
「え? ホントですか? こんな店でも手掴みOK?」
「問題ないよ」
「騙してません?」
「女の子騙したりしないよ」
「女の子騙すって、変に聞こえますよ」
「もう、パンだって手で食べてるじゃないか」
「そう言えばそうですね。当たり前過ぎて気付かなかった」
「個室だし、気にしないで」
「はい、じゃ」
(がぶり・・・もぐ・もぐ・・・)
「どう?」