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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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EMIRI どんなに素敵な昨日でも

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 今日のことを相談できる相手は、一人しかいない。奈美である。奈美にはメッセージやメールではなく、いつも直接電話をかけることにしていた。

「そうか。颯ちゃんから連絡があったのか」
「忘れようとしてるのに、やっぱり忘れられないの」
「恵美が忘れたくないんなら、無理しないでいいのよ」
「忘れたいの。待ってても帰って来てくれる訳じゃないし」
「じゃ、連絡だけ取り続けても、新しい彼氏は作れるでしょ」
「そんなことして、もし春樹君にスマホ見られたら困るじゃない」
「なんだもう、春樹君限定になってるじゃない」
「そうなの、今日一日で彼のこと好きになってしまったのよ」
「じゃ、もう踏み出すしかないわ。昨日がどんなにいい日でも、明日が良くならなくちゃ意味がないし」
「そうだけど、昨日を失うのが怖い気がするの」

( ( ((( Boooon ))) ) )

 スマホが震えた。
「春樹君からLINEだ」
「じゃ、がんばって、また今度日曜にね」

   菅生春樹
   [今日はありがとう。楽しかった。]22:43

          既読[こっちこそありがとう。]
   菅生春樹
   [歌うまかったね]22:43

               既読[そっちもね。]
            既読[今度また行こうね。]

   菅生春樹
   [ぜひ二人で行きたいね。]22:44

              既読[考えときます。]

   菅生春樹
   [土日はどうしてるの?]22:44

         既読[土は家のパン屋の手伝い。]
            既読[日曜は友達と会う。]

   菅生春樹
   [おとこ?]22:44

         既読[ばか。小学校からの親友。]

   菅生春樹
   [月曜も昼いっしょに食べられる?]22:45

            既読[はい。大丈夫です。]

   菅生春樹
   [なら俺達付き合わない?]22:45

      既読[キタァー(゚∀゚)ー♪ 考えときます。]

(やっぱり、嬉しい。心は決まってる。でも進めない・・・)