EMIRI どんなに素敵な昨日でも
第5章: LINEメッセージ
家に帰る電車の中で、恵美莉は、今日の出来事を振り返ってみた。
(春樹君との関係は、きっとうまく行く気がする。もう、とてもうまく行きかけてる。でも、どうしてだろ? 皆と一緒だと流れに流されてしまって、自分の気持ちを確認する間もなくなってしまうんだわ。いいえ、それより相手の気持ちもしっかり確かめないと、前に進むことなんか出来ない)
自分がゆっくりした正確だと言うことを痛感した。それはきっと颯介に慣れてしまっていて、今まで言葉無くても、安心していられたからだ。
恵美莉のスマホが短く鳴った。その音が颯介からの、LINEメッセージだとすぐに気付いた。
そーすけ
[WiFi環境が整ったなり]21:23
既読[いまさら連絡くれるの?]
そーすけ
[気にしてると思って]21:24
既読[慣れた?]
既読[体大丈夫?]
そーすけ
[まだ何も始まってないけど、心配ない。]21:24
そーすけ
[そっちは?]21:25
既読[気にしないようにしてるの]
既読[新しい彼氏ができそうだから]
恵美莉は涙を我慢できなかった。他の乗客に見られないように髪の毛で顔を隠して、袖口で頬をぬぐった。それからもうLINEは見なかった。
作品名:EMIRI どんなに素敵な昨日でも 作家名:亨利(ヘンリー)