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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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EMIRI どんなに素敵な昨日でも

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第4章: カラオケBOX



「“マック”だろ」
「“マクド”でしょ」
 二人は、春樹がおごったハンバーガーの後、マックポテトをつまみながら会話が弾んでいた。
「オタクどこの出身だよ?」
「ここが地元よ。あなたこそ、バカみたいに都会ぶっちゃって」
「俺の方が田舎だよ。市外から来てるから」
「じゃ、英語じゃどう言うのかしら。後ろの外人さんに聞いてみてよ」
恵美莉は、春樹の背後に座るビジネスマン風の白人男性を見て言った。
「バカ、そんなこと出来ないよ」
「あ、気付いちゃった」
「え、今振り返ったらマズイ?」
「大丈夫よ」
春樹は、恐るおそる振り返ってみた。
「ハイ!」
その外国人は、ビッグマックを食べながらスマイルで言った。
「思いっきり見てるじゃん」
「あははははは。バーカ」
恵美莉は、我慢できずに笑った。

「あーあのぅ、英語で“マクドナルド”ってどう言うんですか?」
春樹はおどけながら聞いてみた。
「´c Donald´.(ックダノーゥズ)」
「は? ダノン?」
「ダノーゥ。デス」
「ああ、ダノウ。…ダナウ。なんて?」
恵美莉は失笑しながら、
「ダナーズ」
「Yes!」
「サンキュウ」
と、頭を下げて言った。