幻想人手帳
追究の旅人
澄み切きった青空に、浮かぶ入道雲。
地平線が見えるほど真っ直ぐに伸びた道を、一台のバイクが走っている。
乗っている彼女の髪は爽やかに揺れ、髪の間から見えるピアスには、
女性の凛々しい雰囲気が閉じ込められているようだった。
彼女は時折バイクを止めて、後ろを振り返る。
日を遮るために左手をかざすと、はめられた指輪に日の光が当たり美しく輝きを放った。
しばらく後ろを見つめると、彼女は意志のこもった瞳を前へ向け体勢を整える。
そしてまた、地平線へとエンジン音が響きわたるのであった。