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炬善(ごぜん)
炬善(ごぜん)
novelistID. 41661
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黄泉明りの落し子 狩人と少年

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 彼は再び、歩き続けた。そうしながら、ミタリを探したが、何一つ見つかりはしなかった。道を阻む植物を、銃で避けながら、進み続けた。
 その目には、今や、確かな光があった。だが、その面は、ひどく青ざめていた。

「ピクシよ……」
 夜になった時、繁みの一角から、聞きなれた声がした。しかし、何かがおかしかった。

 彼は声のする方を向いた。ブラッツェが立っていた。
 だが、その顔に、いつもの快活さはなかった。どこか、呆然とした顔つきだった。

「犬はどうした?……槍も」
 ピクシが訊ねると、ブラッツェは首を振った。
「逃がした……アボロには、私のようになって欲しくはない」

「どういうことだ?」
「もはや夜……共に晩餐でもどうだろうか、友よ」

 彼はそう言ってピクシに歩み寄る。
「ブラッツェ……顔色が悪いぞ」
 ピクシは尋ねた。ブラッツェは答えた。
「そなたもな」
 笑みを浮かべたらしかった。口元が歪んだだけだった。