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炬善(ごぜん)
炬善(ごぜん)
novelistID. 41661
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黄泉明りの落し子 狩人と少年

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 彼らは何十秒もの間黙り込んだ。ピクシが握りこぶしを作って見下す中、ミタリの涙が落ち続け、嗚咽が冷たい空気を震わせていた。

「…………もういい。泣くのは止すんだ」

 やがて、ピクシがそう言った。
 怒りを押し殺した声に思えた。しかし決して、無慈悲な声ではなかった。

 彼はミタリに背を向けた。
「飯にするぞ……」
 ピクシは屈んで、鞄を探り出した。
 少年は、地面から起き上がりながら、その後姿をじっと見つめていた。