何だと思う?
4日目の早朝、6時57分。
早朝の校門前に佇む睦月さん。
隣の、お眠オーラ全開の桔葉さんの肩を突きました。
「ねえ?」
「…なぁ?」
「下校時間に…もう石が置かれていたりしたら、これって無駄足にならない?」
半目の桔葉さんの、頭が揺れます。
「きゃのお─── 昨日、生徒会の帰り…学校の閉門前ギリギリに教室に行って…石とかが置かれていない事、きゃくにんじゅみ…」
「─ 確認してくれたんだ。」
桔葉さんの唇が、ニヤッと笑ったかの様に歪みました。
「てゃだゃい ─── 多大な労力を払った早起き、無駄にする気 にゃいから…」
睡魔との戦いで 体をぐらぐらと揺らしていた桔葉さんに、学校の内側から声が掛かります。
「おお、朝早くから ご苦労さん。こんなに早くから生徒会の仕事か?」
門を開け始めた当番教師に桔葉さんは、間延びした口調で応えました。
「きゃおは ─── 今日は…帰宅部の朝練ですぅ…」
「は?」
「きょれから ─── これから、校庭のトラックを走り込みますぅ…」
怪しい呂律と言動に、門を開ける先生の手が止まります。
先生の問い掛ける視線に、睦月さんは 困った笑いを返しました。
「─ ええっと、滅多にしない早起きで…軽く寝ぼけてるだけだと思います。。。」