何だと思う?
教室の扉を開けた瞬間。
自分の席を確認する、睦月さんの顔が曇りました。
「机の上に…もう何かが置かれてる。。。」
「校内一番乗りの私達より…どうやって早く入ったの?」
入り口で棒立ちになった睦月さんの横で、桔葉さんが呟きます。
2人は目的の机まで、早足で向かいました。
机上には白い紙が置かれ、何かが書かれているようです。
内容を確認するために、恐る恐る手を伸ばす睦月さん。
「…何これ?!」
その口から、戸惑いの声が漏れます。
桔葉さんは、睦月さんから渡された紙を、声に出して読みました。
「ハート石8個、見付ける事が出来ませんでした。あしからず。」
虚を衝かれた表情を浮かべる桔葉さんに、力ない声で睦月さんが尋ねます。
「結局これって…どう言う事?」
「─ 自作自演で…勝手に自滅。」
「…」
「4回程度で破綻するような悪戯…するなって事、だよね!?」
「そもそも…こんな悪戯自体、しないで欲しいんだけど。」
「でも…」
「?」
「何よりも…許せないのは!」
桔葉さんは、憎しみを込めて、手に持っていた紙を、クシャクシャと丸めました。
「この私に、無駄に早起きをさせた事、だけどね!!」
「─ 桔葉って、とにかく早起きするのが…嫌な人なんだねぇ。。。」