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赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 26話から30話

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 半玉でもとりあえず、芸事のひとつくらいは披露しなければならない。
踊りは「やっこさん」という、初歩的なものから身につける。
三味線や笛などは難度が高すぎる。
そのため、出番の少ない太鼓などから習得していく。
これらのことができてはじめて半玉として、見番に登録することができる。

 半玉と1本(一人前の芸妓)の違いは、服装にも現れる。
1本になると、特別な時以外は、普通の訪問着などを着用する。
帯はお太鼓と呼ばれる締め方。
髪は、日本髪の鬘(かつら)を使う場合もあるが、多くが夜会巻き
(鹿鳴館時代に流行した髪型・束髪の一種) と呼ばれる髪型が多くなる。
後髪の束をねじり上げ、髻をつくった形が基本。
揚げ巻き・花月巻きなどと呼ばれている、いわゆる、アップスタイルの髪型だ。

 これに対し、半玉は常に振り袖を着用する。
肩上げや腰上げも取ってある。全体的に、子供らしさが残っている。
襟を大きめに抜き、首筋を見せて着つけるの。
帯は「千鳥」という、コンパクトでかわいい結び方。
髪型は、桃割れのかつら(かつらではなく、自毛の子もいる)を使用する。
半玉でも、先輩格になると格好が少しばかり変わる。
髪型が結綿(ゆいわた)に変わり、かんざしも少し地味になる。


 結綿(ゆいわた)は、江戸時代後期に流行った未婚女性の代表的な髪形。
つぶし島田の髷の元結の上に、赤い鹿の子の手絡(てがら)を結びつける。
平打ち簪(かんざし)や、花簪(はなかんざし)に飾り櫛などを添えて
少女らしい華やかさを演出する。

 お化粧は、顔全体を白く塗る。背中や首筋も白くぬる。
目のふちに、赤い紅をさす。
上気した瞬間の女性の色気をあらわしたもので、若い子ほど妖艶さがひきたつ。
京都の舞子には、口紅に関しての決まり事がある。
出だしの舞子は下唇にだけ紅をさす。
1年ほど経過してから、上唇に紅をさすことがゆるされる。
関東の半玉に、そうした決まりごとはない。