赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 26話から30話
赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま (29)
もしかして、わざと間違えた?
「あれから、一週間が経ちました。
今日からはぜんぶ自分でやってごらん。あたしは手出ししませんから」
え?、と思わず清子の箸が止まる。
あれから一週間が過ぎた。
とつぜん小春姐さんが清子に、準備のすべてを自分で
やりなさいと宣告してきた。
「今まで見てきたことを、自分なりにやってごらん。
分からなければなんでも聞きなさい。
芸事も、着付けも、お化粧も、人から教わるものではありません。
全てが、見て覚えることです。心配には及びません。
困ったら、目で呼びなさい。
いつでもお手伝いしますから。うふふ』
そう言い残し、『ご馳走様』と手を合わせ、小春が席を立ってしまう。
作品名:赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 26話から30話 作家名:落合順平