同じシナリオ
右腕は彼女に聞きたいこが山ほど在ると言いたげな様子で、その場を去るのであった。
ありとあらゆる疑念を残したその現場跡にはポツポツ雨が降り出し、まるで、その疑念を荒い流し去るかの様に排水溝へと流れた―――
☆
常雄は病院で無事手術を終えて、昏睡状態である。
「もう大丈夫です」
医者からは、もう大丈夫というOKサインが出ているのですが、文章上、退屈なので昏睡状態と書いてみましたm(_ _)m
小説をフザケンナという罵倒が在りそうですが、こういう事は作者の自由なのでお許し下さい。
とまあ、主人公達は、作者と違って大変な状態であり、常雄はベットの上をで目を覚ますのです。全ては夢か幻かと常雄を想像を巡らします。でも、そんな訳ありません。常雄はそれなりの重症を負っているのは明らかでかであり、読者もそれくらいは既に承知の筈なのでワザワザ説明する気にもなりません。
☆
「大丈夫なのかよ。常雄」
「ああ。なんとか大丈夫だ」
「いや、そっちの大丈夫じゃない。」
「は? 何の大丈夫だよ!」
右腕は常雄にケガをした事で裁判が実行不可能であると説明した。
「なぬーーーーーーー!!」
と、言った事にしたくない! もうなんか物語のムードが壊れて来ているので作者としては書くのが面倒になって来ているのだ。
作者としては小説らしい小説を書き上げて皆の鼻っ柱を折ってやりたい気分なのだが、筆が進まぬ。そもそも小説嫌いな作者が小説らしい小説を書ける筈が無いのだ。書こうとすればする程に物凄い苦痛を伴うのである。
とまあ、作者の愚痴は、これ以上は、やめておこうと思う。それだと小説好きの人の心理が理解できないという事になり個人的に嫌である。
僕は、基本的に理解できない事や判らない事をウヤムヤにするのが大嫌いなのだ。
学校のテストの数学の問題とか、問い一つが答えられないだけで、それに永遠執着して時間を浪費する様な人間なのである。だから、小説を書こうとする行為も終わる事が無く続いてしまうのである。だから、ここで愚痴を垂れてても仕方が無いし先に進みたいと思う。
さて、物語が途中で中断して、作者の愚痴を聞かされるという小説に皆は、出会った事があるだろうか?
そもそもコレを小説と呼ぶ自体、反感を買ってしまう事になるのだろうが、実際に僕がこれを小説と思ってるので仕方の無い事なんだと思う。
という訳で、読者さんは、これを小説として受け止めてくださいm(_ _)m
では続きを、書きます。
☆
~警察にて~
「なぜ、刺したの?」
刑事は女に尋問する。
「――-―違えた・・・」
「え?」
刑事は、彼女の言葉の歯切れの悪さに高圧的な態度で尋問する。
「宮尾と間違えて刺してしまったのです。」
「誰だよ! 宮尾って!??」
事の経緯を説明すると、この犯人の女は、宮尾という、ロクデナシな男と付き合ってる。
このロクデナシ男のロクでない加減に心身共に追い詰められた女は宮尾と心中を図ろうとしたのである。それが偶然にも宮尾と常雄の顔がウリツタツであったが為に、間違って刺してしまったのである。。
という事情が、彼女にはあるのだが、そんなロクデナシな男のロクデナシ度を詳しくは警察には説明しなかったのである。いわゆる愛という物だろう。宮尾の悪い部分は、やっぱり彼女としては口に出せないのだった。
一方その頃、常雄と右腕は―――
☆
「刺した女に損害賠償請求をしよう。右腕よ・・・後の事は、お前に任せた!」
と、常雄が言ったらオシマイだね。主人公だよ。キャラ的どうよ。という訳で、この台詞は、絶対にありえんという事です。。
一番、良い方法は・・・
「刺した女に損害賠償請求をしよう。先輩、後の事は、僕がやっとくよ。」
と、右腕が勝手にした事にすれば良いのである。
ところで・・・これまでの文章で右腕は常雄の事を先輩とは呼んでませんでした。ですが作者の気が変わったという事で、ここから、先輩表記で行きたいと思います。
という訳で右腕は、いろいろ弁護士に手配して手続きを済ませた。
刺した女には、2000万円という損害が乗って掛かりました。
そして、皆、何事もなく日々の生活へと戻りました。
当初は、もちろん、常雄も右腕もあの一世一代の仕事を失った事に対して絶望していました。
けれど、苦しみは時が癒します。
常雄と右腕は、日々の仕事に追われている内に、あっという間に忘れたのでした。
☆
ですが、ふと常雄は刺した女の事を思い出します。
間違って刺したとはいえ、彼女は心中を図る程に追い詰められていたのです。同情したのかもしれません。
そして、つい常雄は、こんな考えを抱きました。
(刑事罰を取り下げる様に減刑を図ったら、それは社会的に心の広い人を演じられるし自分を宣伝するのに調度良いな・・・ついでに彼女に同情して損害金賠償請求も無かった事にしてしまえば、この宣伝の威力は物凄くなる。)
いけません! こんな発想は、僕の求めていた常雄右腕の物語じゃありません!
皆、この文章は忘れてください。
常雄は、あくまで善意の精神で同情、減刑と損害賠償免除を自ら申し出しまします!
でも、恩着せがましのは嫌なので、減刑のシーンと、彼女から受けた金を返しに行くシーンはカットして、全部、終らせたトコに飛びます。
☆
~公園のベンチにて~
「いいんですか!? 本当に、もう慰謝料を払わなくて?」
「いいんです。貴方もさぞ辛かった事でしょう。」
常雄は、いかにもいい人。とにかく良い人。
でも、女は謝罪もそうそうに別れを告げ、足早に走り去っていきます。
「あ! 待って・・・」
常雄は、聞きたかった事が一つあったのですが、聞く前に彼女に逃げられます。
「ん?」
ハンドバック忘れてるぞ
ε=ε=ε=ε┏(。´Д`。)┛まて~
という風なノリで彼女似忘れ物届けようとしました。
だけど、この癒しな顔文字のテンションとは裏腹に、彼女は風俗店へと入っていくのでした。
~風俗店にて~
『ファッションへルス -ジェニファー』
店に入る前に常雄は考え事をする。別に、イヤラシイ事を考えてる訳じゃない。常雄は同性愛であるのだ。考え事は彼女についてである。常雄は自分が彼女に損害賠償という多額な金を吹っかけたせいで、風俗で働くハメになったと責任を感じているのである。
公園で別れ際に聞きたかったのも「君、何の仕事しているの?」という感じの事でした。
いずれにせよ、常雄は、「すまない」
という表情を浮かべ店を出る。
だが、そこで常雄は背筋に嫌な感覚が走ったのである。
その感覚が気になった常雄は、日々の生活に戻る事ができない。
なぜなら、僕と同じ様に常雄も目の前の問題を深く考えてしまう傾向にあるのだ。
そうしてある日、常雄は思い出した様に法務局へと足を運ぶ。
常雄が調べていたのは、風俗店営業の届出である。
その届出が無いのを確認した常雄は、妄想を膨らませる。
常雄は思い出して想像してしまう―――