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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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そぞろゆく夜叉 探偵奇談11 後編

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茫然と佇む。夢と現実がつながったのか。混乱する頭で、じっと灯篭の火を見つめていると。


「…裸足で何してるんですか」


背後から呼ばれた。廊下から瑞がやってくる。

「須丸」

心配して様子を見に来てくれたらしい。いま目の前にいた瑞ではない。寝巻姿で、ミルクティーの髪も短い。さっきの瑞は、やはりこの瑞とは違う瑞…。

「…ごめん、戻るよ」

一抹の寂しさを感じながら縁側に上る。

「おまえさ」
「はい?」

不思議そうに見降ろしてくる瑞を、軽く睨んでやる。

「…ばいばいくらい言え」
「え?」

キョトンとしている瑞。
唐突に現れては風の様に消えていく、過去。ゆっくり話をできればいいのに、それもかなわない。夢にだって、出てくるのは稀だった。

「さっきは、悪かったな」
「…俺も、ひどいこと言いました。ごめんなさい」

しおらしく謝る瑞に、伊吹は吹き出す。

「しかしほんっと、語彙力の貧しい悪口だったこと!」
「わ、悪口達者なやつのが嫌でしょ!俺が素直で心優しい子だっていう証拠だと思いません!?」
「言えてる。あんぽんたんでいいや、おまえとのケンカは」