何行目で挫折したか教えて欲しい物語
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2話 座談会
『でも、すごいよね?』
「なにが?」
『デッドワールドって最初は記憶を持ち込む事も、武器や機材を持ち込むことも出来なかったらしいじゃん。それだけじゃなく、デッドワールドで体験した記憶すらも持ち帰ることが出来なかった。それがどうして今は可能になったんだろ』
「うーん。技術的進歩かな?
ここ最近の技術進歩はすごいもん。テレパシーも出来るようになったし」
『そもそもどうしてデッドワールドは存在するんだろ』
「それはお国が調査することだろ」
『そうはいっても気になるじゃない? 夜寝るときとか、いろいろ考えちゃうもん』
「確かにそれはわかる、特にデッドワールドが3次元的に存在していて、高速宇宙船さえ作れば地球からもいけるっていう説ある」
『でも、未だに人類は地球をウロウロしているね。超お金持ちも財産使い切らないと月にもたどり着けない現状とか。1000年前のヒトは思いもよらんかったろうねww』
「たしかにね、宇宙開発は全く未来性がなかった。その事に気付く頃には予算1000兆円くらいドブに捨てる訳だからね。それでどれだけの命が救えたことか……」
『1000年間で自殺者1000万人超えるしね。経済戦争の最大誤算だろうし、それは今でも変わらないしね。でも、その過ちがあってこその未来だし、それに、いつか役に立つ技術になるかもしれないよね』
「たしかに。デッドワールドの資源を持ち出す技術さえできれば、今までの技術と組み合わせて、超光速宇宙船を作れるって言われてるし」
『そういうのがUFOの正体説だろ?』
「そうそう、デッドワールド発見以降にUFO目撃情報が一気に激減してさ、それ自体が宇宙人からの暗黙メッセージだとかいう」
『だからこそ国も迷いなくこの分野に投資しているのかもね』
「議会で「宇宙人なくしてこの予算は成立しない!」って迷言のこした人。あれ誰だったっけ?」
『うわっ忘れた。最近のことなのにボケるの早い俺』
「じゃあさ、あれも忘れた?
「美しいデッドワールド!」「死んでこそ生きることなし!」
『意味するところは当時は不明だったけど、今思えば、それがあってこそ、今があるもんな』
「その頃の調査隊、軍人からなる特殊部隊が導入されて、でも、みんな生きて帰って来ないのだもんな。なのに虫とかハトは生存率が高いっていう」
『最初あたりに魂転送の人体実験受けた人らが、高確率で生きて戻るものだから、つい知能と腕力さえあればデッドワールドは攻略できると思うよね」』
「まさかデッドワールドに入る時に生体的な質量をカウントしててデッドワールド自身がモンスターを生み出す質量をも調節してるなんて思いも寄らない」
『そもそも質量っていう概念も分からなくなってるよね』
「魂抜いて肉体置いてけぼりであっちの世界に行って、でも質量としてはちゃんと存在するなんてな」
『質量0とマイナス質量の世界。マイナス質量にて生物は存在できる。それを可能とするのが魂の加工』
「加工って削ったり、組み合わせたり、化合したりのことだよな。魂でそんなことできるのって、やっぱり不思議だよ。できるから可能になってるっていわれたら、それまでなんだが……しかし魂が質量マイナス生物としてデッドワールドに行けるけど、物には魂がないのだから、どうやって持っていけんの?」
『そこはブラックボックスで一般人は知る権利がないとされてるよね』
「たとえばドローンや車を持っていくけど、こっちの世界でのそれらは消えてないわけで」
『たぶん、生物の魂をうまく加工して、あっちの世界では機械として使えるようにしてるのだと』
「ブラックボックスになってる理由に人の魂を使ってるという噂があったな」
『魂加工をやりすぎると、魂の形かわって元の肉体に帰れない。だから、機械の様な魂のないモノにあえてニセる為に大量の魂が利用されている。生物によって魂の大きさも密度も異なるけど、大体は質量に比例しているから』
「運用するには大型動物の死が必要条件」
『凄くホラー話になるけど、でもそれはあくまでも政府の当初の見解であって、いまはデッドワールド内のモンスターの魂を奪えば問題にならないとされてる。でもそれもブラックボックス化されてるから真実かはわからないね』
「デッドワールドの資源を使ってデッドワールド内で何か作ったりはできる。楽勝だ」
『とにかく最初が難しかったんだよね、なにせナイフや炎とかを持ち込めなかったら、あらゆる開発ができない』
「それはたまたま偶然、デッドワールド内で発見された遺跡がカギとなるのだけど....疲れたかられたから、つづきは明日にしようか.」
作品名:何行目で挫折したか教えて欲しい物語 作家名:西中