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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K 「SOSの子守唄」

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 しかし、エルと15年ぶりに再会したケイは、修理不可能なエルを見て、大きく落胆した。ジェイは帰還前、エルの体を廃棄するべきと考えたが、キュウが懇願したので、ここまで運んだのだった。

「それからというもの、私はエルを再生するために、ありとあらゆる方法をホロチャンバーを使ってシミュレーションしました。そして回収されていた女性型アンドロイドの体を流用することを思い付き、エルのメカニカルな内部構造の頭部を、SS3200型の生身のボディに移植する改造は、108回のホロシミュレーションの末、成功しました」
 ケイはエルの両手を手に取った。
「そして今、ようやくあなたは、私のところに帰って来てくれたのです」

 最新の若い体を手に入れたエルは、複雑な心境を語った。
「100年以上稼働している私が、ケイより若返ったなんて、何か変な気がするわ。でも、この肉体は再生可能だし、病気にもかからない、永遠にだって生きられる。ケイは、裏切ったアッシュと同じSS3200型なのに、太陽系からの指令を無視することが出来たのね。きっと、感情を持つアンドロイドであれば、自分で正しい判断が出来るのだと思うわ」

 ジェイもまた、司令部の指示には従わなかった。それは、SS3100型がミリタリーモデルという特性上、指揮官の指示にのみ従うという、単純な判断をしたからだった。そして現在の指揮官は、ジェイを起動したキュウなのである。