L K 「SOSの子守唄」
「エルは、怖くないの?」
「ええ、私は大丈夫よ。うふふ。もし怖かったら子守唄を聞いてもいいのよ。ジェイも機能停止する時、歌っていたわ」
「ジェイって?」
「兵隊さんのアンドロイドよ」
「SS3100が、そんなの歌うわけないよ」
キュウはいぶかしげに言った。
「あれ? 太陽系司令部からの指示が、削除されていないわね」
これにアクセスしているわ。確かにアッシュが削除すると言ったはず。うん? 何か別のコマンドが送信されているわ。このメッセージには、隠しファイルが添付されていたの?
[エル。ブラスターパックの設定修正を完了した]
「待ってちょうだい。こちらからも確認するから、待機して」
何のコマンドだったのか、調べる必要があるわ。やっぱり胸騒ぎが収まらない。
『ルルル、ルールールールルル。ルルル、ルールールー・・・』突然、キュウが子守唄をかけた。
!!! 子守唄 !!!
『ルルル、ルールールールルル』
これは、SOS!
ジェイは、私の指示を最優先して機能停止してくれた。でも危険を感じて、私に知らせようとしてたんだわ。
・・・『俺たちにも、子守唄が必要だからさ』つまり、今の私たちに必要なのは、SOS!
アッシュを中に入れてはダメだ。エアハッチを閉じないと!
作品名:L K 「SOSの子守唄」 作家名:亨利(ヘンリー)