L K 「SOSの子守唄」
ジェイはミリタリーモデル。爆破ユニットの扱いなんてお得意のはずなのに、どうしてかしら。やっぱり何か気になる。いいえ、気になることがあるんじゃないわ、さっきからずっと胸騒ぎが収まらないままなのよ。この邪魔な感情を無視しようとして、敢えて考えずにいたんだわ。ここはじっくりと考える必要があるわ。
そこにキュウが来た。
「キュウ。コクピットに来てはダメよ」
「うまくいかないの?」
「大丈夫よ。アッシュが直してくれるから」
「アッシュさん大丈夫かな」
「アッシュは、システムに精通しているから任せられるわ」
「アッシュさん、どうして僕を起こしたの?」
「どうしてそんなこと聞くの?」
「僕、起こされた時、体がだるくって眠かったから、暫く寝てるふりしてたんだ。その時、アッシュさん動きが止まって・・・。あれは、船のコンピューターに直接リンクしてるみたいだったけど、なんか様子が変だったから、少し怖かったんだ。そうしたら突然、僕の首を強く握って・・・、そこにエルが来てくれたの」
「あなたの首を?」
リンクしてた? 何のために?
私は、アッシュのアクセス履歴を調べた。私宛のメッセージファイルにアクセスしていたようだった。
どうして? 何を確認しようとしたのかしら。
作品名:L K 「SOSの子守唄」 作家名:亨利(ヘンリー)