L K 「SOSの子守唄」
「エル。最新型の32(サンニー)様っていうのは、人間に究極に似せて作られているんだ」
ジェイはSS3200型が好きじゃないらしい。
「お前はSS3100型だ。階級も私より下のようだが、ミリタリーモデルは指揮官の言うことしか聞かないからな」
「その通り、俺に指示する時は、エルを通せ」
「やめなさい。二人とも」
「はい。あなたはSS3000プロトタイプですね。実物にお目にかかるのは初めてです。見た目は人間ですが、SS3100と同じく骨格より内部はメカニカルな構成になっていますね」
「やめて、もういいわ。私は事故の原因を知りたいの」
「はい。緊急警報が鳴った時、既に自爆シーケンスが作動していました」
「自爆したって言うの?」
「そうです。警報にリンクして、情報を確認しようとしましたが、どういうわけか厳重にプロテクトがかけられていて、その時には解除出来ませんでした」
「船長はどうしたの?」
「クルー全員に、人工睡眠キャスケットに入るように指示された後は分かりません。でも、船のコンピューターログを解析すれば、すべて解明出来ると思います」
「システム・バックアップ・ログならこの船に転送済みよ。すぐにやってちょうだい」
「分かりました」
作品名:L K 「SOSの子守唄」 作家名:亨利(ヘンリー)