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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K 「SOSの子守唄」

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第七話 セカンドロイド



 難破船に残っていたエタニチウムの量は僅かだけど、私の船ならそれでなんとか、惑星アップルまで帰ることが出来る。でも、大きな荷物を背負っては、あまり速度は出せない。出来ることならその船の全部を持ち帰りたいけど、私の船では、この質量を曳航して帰るだけのパワーはなかったの。だから難破船を小さく分割して、格納庫と必要な部分だけ持ち帰ることにしたわ。
 ジェイは、船外に出て難破船に曳航用の杭を取り付けている。そこにトラクターウィンチのワイヤーをかけて引っ張って帰るの。物理的に不安定な航行になるけど、エネルギーが足りないせいで、安定した牽引ビームを長距離移動に使えないから。それで、こっちの船体剛性には不安があるから、あの船のエネルギー防壁のシステムも移植しておきたい。
 私は難破船にたくさんあったライトローダー(外骨格型重機)を操縦して、この船から使えそうな設備を取り外し、自分の船の格納庫に移している。その作業を手伝ってくれているのは、生存者のアッシュ。彼を目覚めさせた時、意外なことが分かったわ。

「しっかりして。私はエル。彼はジェイ。救助に来たの。もう大丈夫よ」
「俺はアッシュ・・・失礼しました。私は『Ash(アッシュ)』です」
「どうしたのアッシュ。かしこまらなくてもいいわ」
「いえ。あなたは私より階級が上ですから」
彼は敬礼した。この船のクルーと初めて会った時、皆がしたように。
「どうしてそんなことが判るの?」
「私はSS3200型です。あなたの型式やマニュファクチャー番号、階級も読み取れますので」
「あなたもアンドロイドだったの」
ケイも私のマニュファクチャー番号を言い当てていたわ。