L K 「SOSの子守唄」
3人の遺体と2人の生存者の入った人工睡眠キャスケットを移動させる間に、私はこの船のブリッジに向かった。そこには、既にフリーズドライ状態の遺体が二体、漂っていた。
コンピューターは死んでいたが、航行記録やクルーの日誌を含むデータの大部分を、私の船に転送することは出来た。これで事故原因は解明出来るだろう。
その後、船内の隅々まで捜索したが、生存者は見つからなかった。生体ラボに人工睡眠で大量に運ばれて来た動植物も、生きていれば回収したいわね。そこで、ストレージケースに入ったアンドロイドも、一体だけ見付けていた。それは頭部に損傷を負った女性型だったの。私以外の女性型は見たことがなかったから驚いたわ。
そのアンドロイド一体と5人の遺体、2人の生存者を私の船に回収した後、生存者を目覚めさせることにしたの。女性型アンドロイドは既に故障していて、起動出来なかったから、生存者に物資の回収を手伝ってもらうことにしたの。それに事故の発生状況を知っているかもしれないから。
子供は寝かせたままにしてあげようと思う。ミュージックの謎は確かめなければならなかったけど。
作品名:L K 「SOSの子守唄」 作家名:亨利(ヘンリー)