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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K 「SOSの子守唄」

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 17回目のシミュレーションでやっと成功して、さらに12回練習もした。そうして、やっと現実に掘削作業を開始したんだけれど、深過ぎて、センサーではインフィニチウムの反応を感知出来ないから、地質学的な分析から予想した掘削ポイントを、信じて掘り進めるしかない。
 ホロシミュレーションでは、一番成功の確率が高かったのに、この場所は見当違いだったのかしら。

 この星の一日は約22時間。夕暮れが近付いて来たから、今日の作業は中断する。暗くても作業には影響ないけど、ソニックドリルや、ライトローダーの自動メンテナンスも必要だから、夜は休息をとることにしているの。それに、煩わしい酸素マスクも外したいから。
 私たちは掘削現場のすぐ近くに、居住棟を設置して、その窓際の席で、夕陽を見ながら食事をするのが習慣になってきたわ。
 この星は大気がやや薄いせいで、夕焼けは地球のほど赤くない。火星の夕焼けほど青くもないし、どっちかというと、昼の太陽を暗くしただけで、あまり感動しない。それは私の感情が乏しいからというわけではないと思うの。きれいな夕焼けを見られないことが、とても残念に思うんだもの。

 このところケイは、何か少し様子が変わってきた。私と話をする時は、いつも笑顔で話すけれど、それはアンドロイドにプログラムされた作り笑顔。でも彼ったら、最近、タックと話をするようになったの。しかも、笑いながら話しかけているのよ。私がそうするのを見て、真似ているのだけど、タックの方はというと、知らぬ顔して毛づくろいしているのが可笑しい。