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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K 「SOSの子守唄」

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第二話 名前



 名前。
 気にしたことが無い。
 私の船の名前さえ、考えたことも無い。

 なぜなのだろう。人には必ず名前があるのに、どうして私には名前が無いの?
 私が人間では無いから?
 そう。私は人では無い。

 W−159Kは、自分がアンドロイドであるということを自覚しているのに、私は自分が何者であるのか、疑問に思ったことなんて無かった。それはずっと、一人だったから?

「この猫には、名前がありますか?」
「名前は付けていないの」
「どうしてですか?」
「必要だと思わなかったから」
「では、この猫の存在価値は何ですか?」
「存在価値?」
「置物ですか?」
「置物?」
「部屋を飾るための置物には、名前が要りません」
「そうじゃないわ。友達よ」
「では、名前が必要です」
「・・・。そうね。考えておくわ」

 私の存在価値とは、何なのだろう。