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田村屋本舗
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霊感少女

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菊地




指定したファミレスに
菊地が 現れた


10歳以上も
年下の雅人が
椅子から
立ち上がらずに
腕を降って呼ぶ



菊地は 嫌な顔もせず
軽く 手を 上げた



昼間は 散々
愚痴を零していたくせに
心良く 承諾してくれた
菊地を 今では
仲間だと思っている様だ


調子のいい
単純な男だと
改めて 相楽は
再確認していた



[菊地]
三十路過ぎの男

正解には 32歳だと言う


外見の印象は 若い
正直 25、6歳に 見えた


想像していた
イメージとは
違った印象を受ける



[三十路過ぎの変人]



雅人の私感は
何処か 狂っている

相楽は 溜息をついた



[気さくな お兄さん]


そんな 所だろうか


つまらない若者の会話に
よく 笑う

陰気な印象は
あまり しない



これが
本心ならばの話



相楽は雅人の横で
雅人の くだらない話を
聞きながら


目の前に 座る
菊地の笑い顔を
見ていた


大袈裟とまでは
いかない笑い顔


雅人の会話に
言葉を挟み


注文した大皿の
盛り合わせにも
手を つけた



たった
ひとつを除けば


正常な 人間だと
確信が 得られた





菊地は


ファミレスに
来てから


一度も

相楽の顔を
見ない



一度もだ



相楽は なんとも言えぬ
息苦しさを 感じ


化粧室に
席を 立った




菊地の徹底した態度に
吐き気さえした



[踏み込むな]


無言の圧力を
諸に受け取ってしまった





鏡の中の
青白い顔を
眺めながら



唇を 噛み締めた





【多恵】と【菊地】



必ず 接点が ある




それは 確信していた








菊地が ファミレスに
現れた時から






あれ程
雅人に しがみつく様に
四六時中 憑いていた
【多恵】が
雅人から 離れ



姿を 消したからだ



【多恵】の生き霊は
いったい 何をしたいのだろうか



菊地に 生き霊を
送る程 強い信念が

何故 菊地を 避けるのだ






……違う

多恵は 生き霊を
送っては いない




菊地が 呼び寄せている


菊地が 多恵を
引き擦り出している







その原因は


【精神科病棟】に
ある気が した


作品名:霊感少女 作家名:田村屋本舗