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われらの! ライダー!(第四部)

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 ドゥーマンの体が見る見る干からびて行き、後にはぼろぼろの僧衣だけが残った……。

 
ライダ~ \(\o-) →(-o/) / ヘンシ~ン!→\(〇¥〇)/ トォッ!


「何だこりゃ……」
 僧衣の中からマッスルが拾い上げたのは、干からびてミイラのように縮んだコブラ。
「ドゥーマン、さすがね……とっさに蠱毒と入れ替わったんだわ……」
「と言うことは、逃げられた?」
「ええ……でも、さっき埋鎮の皿で邪気は封じ込めたから、もう道力は使えないはずよ」
「あれはそういう意味のものだったのね、お皿と油性マジックって、何に使うのかと思ったわ」
「しかし、道力が使えないのなら、ドゥーマンもただの老人だな、ご老体にしては身体能力も大したものだったが……晴子ちゃん、本当に助かったよ」
「八年前は命を救ってもらったわ、恩返しになったかしら?」
「ああ、充分だ、我々だけじゃない、日本の危機を救ったんだよ、晴子ちゃんは」
「『魔法の王国』は少し壊しちまったけどな……」
 マッスルが頭を掻いた……。


ライダ~ \(\o-) →(-o/) / ヘンシ~ン!→\(〇¥〇)/ トォッ!


「何とお礼を申して良いやら」
 ディズニーランドの経営陣がライダーチームに深々と頭を下げた。
「いや、ウエスタン・リバー鉄道やら、ダンボやら、少し破壊してしまいました、申し訳ありません」
「一番被害がでかいのはシンデレラ城の塔だな……面目ない」
「いえいえ、あなた方のせいではありませんよ、それに、ゲストの方々さえ無事であれば、施設は直せば済むことですから」
「そう言っていただければ……」
「何かお礼をさせて頂きたいと思うのですが」
「いやいや、我々はそんなつもりでは……」
 ライダーはかぶりを振るが、レディ9がライダーになにやら耳打ちすると、ライダーもにっこりと微笑んだ……んじゃないかと思う……。


BGM https://www.youtube.com/watch?v=YFHKcQXxoO4&list=PLlqxS8dAzJrNYOvscarudh9YHXiuR1HrY


 数日後のクリスマス・イブ。
 一文字隼人と結城丈二は、それぞれ小児病棟と養護学校へ。
 そして志のぶと剛は、晴子の養護施設を訪れている。
 それぞれ、ある衣装とプレゼントを携えて……。


「は~い! みんなでサンタさんを呼びましょうね!」
 晴子の号令で、子供たちが声を揃える。
「「「「サンタさ~ん!」」」」
「ほっほ~い」
 現れたのはサンタの衣装と立派な髯を身につけた剛。
 ディズニーランドのパレードで使われる本格的なコスチュームだ。
「わあ! サンタさんだ! メリー・クリスマス! サンタさん!」
「メリー・クリスマス! 良い子にしておったかな? 良い子にはプレゼントを持って来たぞ!」
「わ~い!……あれ? プレゼントって……封筒?」
「中には何が入っているかな? 開けてご覧」
「わぁ、これって、ディズニーランドの招待券?!」
「そうじゃよ、夢と魔法を楽しんでおいで」
「わ~い! サンタさん! どうもありがとう!」
「ほっほ~、喜んでもらえて、ワシも嬉しいよ」
「サンタさん、大好き!」
「ワシもみんなが大好きじゃよ」
「サンタさんっておっきいね、腕にぶら下がってもいい?」
「ああ! いいとも!」
「肩に乗せてくれる?」
「お安い御用じゃ!」
「お髯に触っても良い?」
「いや、それはちょっと……」


「晴子ちゃん……今回は本当にありがとう、あなたもチームに加わってくれると嬉しいんだけど……」
 子供たちにもみくちゃにされている剛サンタを、少し離れて見守りながら志のぶが言う。
「せっかくだけど……志のぶさん、あたしにはあの子達がいるの、みんな、あたしを必要としてくれてるし……」
「そうね……」
「でも、あたしの力が必要になったら、いつでも呼んで……って、あたしは運転できないから迎えに来てもらわないといけないけど」
「晴子ちゃん……ありがとう、心強いわ」
 志のぶは晴子の肩を優しく抱き寄せ、二人はまぶしく輝く笑顔を交わした……。



(メリークリスマス! ライダー! 終)