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われらの! ライダー!(第四部)

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「ウエスタン・リバー鉄道って、最後のところで『大古の森』を通るわ!」
「それが?」
「ドゥーマンは恐竜を使うつもりよ!」
「どういうこと?」
「陰陽師は命なき物でも呪を掛ける事で操れるの、きっと恐竜に襲わせるつもりなのよ!」
「そう」
 セイコにとっては意外だったが、レディ9はそれを聞いて、少しも動じる様子はない。
「恐竜でしょ? 大丈夫よ、あの人たち、倒したことあるもの」


ライダ~ \(\o-) →(-o/) / ヘンシ~ン!→\(〇¥〇)/ トォッ!


 いつもは大人しく草を食んでいるはずのブラキオサウルスがその長い首を叩きつけるように攻撃して来た。
「うおっ! 何だ? ここの恐竜、ゲストを襲ったかな?」
「『魔法の王国』でそんなことは起こらねぇよ、ジュラシックパークじゃあるまいし」
「だが、我々を襲う気満々だな」
「ふむ、クッシーと大体同じ位の大きさだな」
「ああ、あの時、俺は湖に出られなかったからな、ちょっと戦ってみたかったぜ」
 マッスルはブラキオサウルスの首攻撃をガッチリと受け止めると、思い切り振り回して投げ飛ばしてしまった。

 次は卵の孵化を見守る二頭のトリケラトプス、ライダーたちを見るなり突進して来る。
「そういう態度は子供の教育上良くないと思うが……」
 ライダーパンチとマッスルパンチで、あっさりとひっくり返す。

「あいつらはジュラシックパークで見たぜ、ヴェロキラプトルだろう?」
「ああ、狡猾ですばしこい奴らだ、大きくはないが引っ掻き回されると厄介だな」
 ライダーマンがロープを発射し、脚をぐるぐる巻きにしてしまう。

「おお、トリにふさわしい大物の登場だな」
 ティラノザウルスとステゴザウルスの決闘シーン、ライダーたちに気付いたティラノザウルスが攻撃の矛先を変えた。
「恐竜の王者に敬意を表して三人がかりと行こうか」
「「おう!」」
 ライダーマンがロープフックを脚に絡ませてバランスを崩すと、倒れ掛かるところにマッスルのアッパーカット、仰け反った所にライダーキックでトドメだ。
 見ると、ステゴザウルスがライダーたちに深々と頭を下げていた。


ライダ~ \(\o-) →(-o/) / ヘンシ~ン!→\(〇¥〇)/ トォッ!


「くそう、物理的な攻撃は効かんか、ならばそれなりの手はあるぞ」
 ドゥーマンは列車から飛び降りるとワールドバザールの方向へと走る。
 続いて飛び降りた三人ライダーも後を追う。


「あ、降りて来た、ほらね、心配なかったでしょ? さあ、続くわよ!」
「あっ! ドゥーマンはきっとカリブの海賊に向かうわ!」
「どうしてわかるの?」
「人形よ!」
「人形? それって恐竜よりは弱いんじゃない?」
「人の形をしたものにはまた別の呪をかけることができるの、ピンチよ、急ぎましょう!」


 スタート直後の小さな滝を滑り落ちると、数台先のライドでライダーたちが胸を押さえて苦しんでいる。
「あ、本当にライダーたちが! ドゥーマンは一体何をしたの?」
「人形を三人に見立てて呪をかけたのよ! 人形を攻撃すれば三人を攻撃したのと同じことになるの! 藁人形の呪いのリアルタイム版みたいなものよ!」
 見れば、ドゥーマンは三対の人形にナイフを突き立てて攻撃している。
「わはははは、どうだ? いくら貴様らが強くてもこれでは手も足も出まい!」
 ドゥーマンの高笑いが薄暗いアトラクション内に響き渡り、普段はコミカルに見える他の人形達の動きもなんだか薄気味悪く、あざ笑っているように見えてしまう。


「こんなことって……どうしたらいいの?」
「任せて!」
 セイコはライドから飛び降りると、一体の人形を選んで指で五茫星を描き、呪を唱える。
「レディ9、クナイを!」
 忍者特有の武器を手にすると、セイコは人形にクナイを突き立てる。
「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
 ドゥーマンが悲鳴を上げて崩れ落ちた。
「うぬぅぅぅぅぅ……おのれ、小娘! 人形(ヒトガタ)の呪も操れるとは……だが、まだ戦いは終わっておらぬぞ!」
「ああっ……」
「どうしたの!? 晴子ちゃん!!」
 セイコがいきなり青ざめてうずくまる。
「呪を返された……人に害をなす呪には必ず返しの呪が存在するの……」
「大丈夫?」
「ええ、それより、ドゥーマンが逃げるわ、追わなきゃ!」


ライダ~ \(\o-) →(-o/) / ヘンシ~ン!→\(〇¥〇)/ トォッ!

 
「あれは何だ?」
 カリブの海賊から逃走したドゥーマンを追って外に出たライダーたちに向かって、何かが空を飛んで来る。
「ありゃぁ、ダンボじゃねぇか?」
「そのようだ、耳をはためかせている、あれもドゥーマンの仕業だろうな」
「出来ればダンボは蹴りたくないんだが……」
「俺もだ、殴らずに済むものなら殴りたくはないな……」
「実を言うと、私も『Baby Mine』のシーンが大好きなんだ」
「ああ、あれな、ダンボがジャンボの鼻のゆりかごですやすや眠るシーン、泣かせるよなぁ」
「おいおい、余計に蹴りたくなくなるじゃないか……だが、そうも言っていられないようだ」
 ダンボは空中高く舞い上がったかと思うと、グライダーのように急降下して来る。
「仕方がない……ライダー・キック!」
 ガッシャーン!
「ダンボ、すまない、鼻を折ってしまった、後できちんと直してもらってくれ」
「こんな攻撃は時間稼ぎにしかならないとわかっているだろうに、人の情に付け入むとは、ドゥーマンは相当な鬼畜だな」
「いや、実際に時間が必要だったのかもしれない、何を企んでいるのかわからないぞ、急いで追おう!」


ライダ~ \(\o-) →(-o/) / ヘンシ~ン!→\(〇¥〇)/ トォッ!


 心ならずも、空飛ぶダンボを倒したライダーたちだが、クリスタルパレス・レストラン前にさしかかると、三体の着ぐるみが立ちふさがっていた、いつもならレストランで愛嬌を振りまいているキャラクターたちだ。

「おいおい、今度はミッキーかよ……」
「ドナルドもな、それにトランプ(注:わんわん物語より)とは……中々タイムリーだな」
「しかし、ここまでの戦いからして、彼らを直接我々に立ち向かせようとしているとは考え難いが……」
 
「わははは、ライダーマン、さすがに知性派だな、その通り、そいつらには式神の呪をかけた、同類の動物を操れるようにな」
 三体の背後でアシャード・ドゥーマンが高笑いする。
「動物だと?」
「そうだ、見るが良い!」

 ダイヤモンド・ホースシューの陰からはネズミの大群が。
 トゥモローランド・テラスの陰からはアヒルの大群が。
 バズ・ライトイヤーのアストロ・ブラスターの陰からはイヌの大群が現れ、ライダーたちに向かって突進して来る。

「なるほど、そう言うことか……これは厄介だな」
「どこからこんなに大量の動物が……」
「イヌは大好きなんだ、あんまり戦いたくはねぇな……だが、そうも言ってられねぇか!」
 動物達が三人ライダーに群がる。
「くそっ、倒すのは簡単だが!」
「ぐぅ、操られているだけで、罪のない動物達だからな!」
「確かに攻撃し難いな……だが、この大群だぜ? このままじゃ拙くはないか?」