小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 16話から20話

INDEX|12ページ/15ページ|

次のページ前のページ
 


赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま (20) 
 小原庄助のモデル

 「へぇぇ・・・小原庄助さんは、実在していたのですか!」


 磐梯山を見上げていた清子が、豆奴を振り返る。
深い眠りの中に居たたまも、豆奴の懐で目をさます。
『清子の胸の匂いもいいが、たまには年増の胸もいいもんだ。
なんでぇ、何かと思えば呑んべェの話かよ。そんなもの、おいらは
まったく興味ねぇぞ』
フニャァと大きな欠伸をする。
(最初から、お前さまは仲間に入っておりませぬ。いいから黙って寝ておいで。
この、やんちゃ坊主)
うふふと清子が、たまの黒い鼻先をツンツンとつつく。


 「全国に知られている会津磐梯山の元歌は、玄如節(げんじょぶし)。
 玄如というのは、天寧寺のお坊さんのことです。
 玄如は会津でも評判の美男子。
 水をくみに寺から山すそまで降りてきた玄如を、一目見ようと
 女性達が集まる。
 でも霧が濃くなり、玄如の姿を隠してしまいます。
 昭和10年。小唄勝太郎がレコードを出します。
 このとき。「おはら庄助さん なんで身上つぶした・・・」
 のおはやしがつきました。
 それが全国的に広まり、有名な民謡になりました。
 有名人でありながら、実体がよく分からない不思議な人物、
 それが会津の小原庄助さんです」