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ヒトサシユビの森 4.クスリユビ

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「はい、坂口土建の坂口です」
坂口は電話の相手と短い会話を交わした。
用件は明日以降、稲荷山周辺で行方不明の幼児を捜索するので、猟友会にも協力してほしいという内容だった。坂口は蛭間たちと顔を見合わせ、
「もちろん協力します。いつでも言って下さい」
と伝え、電話を切った。
「子どもが稲荷山の登山口で目撃されたらしい・・・」
「捜索場所は?」
「稲荷神社を中心に範囲を広げていくそうだ」
皆が黙りこんだ。思いつめた表情の茂木が口を開いた。
「子どもを埋めた場所へ、警察を誘導しているんだ、あの子が・・・」
「そんなわけ・・・」
と言いかけて玉井は言葉を呑みこんだ。坂口が引き継いだ。
「あの場所は誰も知らない。誰も近づかない。大丈夫だ」
「甘いよ、大輔。あの子僕ら4人を指さしたんだよ。あの子知ってるよ。遺体がどこにあるか知ってて、事件を起こしてる。もし遺体が見つかれば、僕たち・・・」
「黙れっ!」
蛭間が声を張りあげた。自らの声の大きさに苦笑いした蛭間は、声の調子を落とした。
「考えすぎだ、茂木・・・」
蛭間は茂木の肩に手をあてて言った。
「だがな、お前の考えも一理ある。埋めた場所は通常、人が立ち入らない場所だが、捜索となると話は別だ。今遺体が見つかって騒がれて、俺たちにいいことなどひとつもない。そこでだ・・・」
4人は額をつき合わせた。